呪 われ た 死霊 館。 ホラー好きがしっかり選ぶ! 『封印映像』のおすすめエピソード30+全巻レビュー

www.instavin.com: 死霊館のシスター(吹替版): デミアン・ビチル, タイッサ・ファーミガ, ジョナ・ブロケ, ボニー・アーロンズ: generic

呪 われ た 死霊 館

心霊ビデオの 類 たぐいは巷にあふれているが、作品の質は玉石混交だ。 『 封印映像』は、心霊現象などが映り込んだためにお蔵入りになってしまった映像を紹介するDVDシリーズ。 心霊ビデオの元祖である『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズのスタッフが制作に関わっているため、 ホラーのツボをおさえた映像が楽しめるのが魅力だ。 撮影された映像が必ずしも心霊現象ではなかったり、怪異の撮られた現場にスタッフが足を運んで原因や背景を探ったりする趣向もおもしろい。 とはいえ、すべてのエピソードが手放しで評価できるわけではない。 あからさまに手抜きのようなものもある。 そこで、 ホラー好きを自称する当ブログが「ほかの人にもぜひ観てもらいたい」と思ったエピソードを紹介していく。 作品選びの参考にしてほしい。 「奇妙な骨」の いわく ・・・がオカルト好きにはおなじみのもので、恐怖に奥行きを与える。 このエピソードで特筆すべきなのは、途中に出現する幽霊らしきものの映像だ。 レポーターの女性も美人で(顔にモザイクもかかっていない)、振る舞いも的確に恐怖につながっている。 完成度の高い一作といえる。 本作は、まさに一発勝負の「ビックリ系」。 ただ驚かされただけなら評価はしないが、 ビックリポイントの発生する状況、そこに至るまでの段取りが的確。 その点を評価したい。 『』に収録されている「カーテンの中」にネタが似ているが、こちらは怪異の背景やストーリー展開に工夫が施されている。 腑 ふに落ちない部分もあり、そこに不気味さも感じる(単に脚本の不備なのかもしれないが)。 完成度の高い一編だ。 icon-video-camera 『劇場版 封印映像25 天井裏の呪念 除霊編』に収録 スタッフ遊びすぎ!〈梅〉レベルのエピソード ここからは、あきらかに制作者のウケ狙い、ツッコミ待ちとしか思えないエピソードを紹介していく。 ふつうの人なら怒ったり白けたりするかもしれない。 でも、当ブログは嫌いじゃない。 そんな作品だ。 興味のある人はぜひチェックを。 終盤までホラーとして良い感じに話が進んでいく。 そのまま行けば〈松〉レベルに仕上がっていたはず。 これがまたほとんどギャグとしか思えないシーンになっている。 本作を受け入れられるかどうか。 まさに観る者の度量が試されている。 話の運びは的確で、うまく恐怖を盛り上げている。 にもかかわらず、 肝心なところでポカをやらかしている。 これは勝手な想像だが、もともとこれはツッコミ待ちのエピソードではなかったと思う。 作っているときは真面目にホラーをやろうとしていた。 しかし、仕上げの段階で技術的なトラブルか、予算や時間の問題が生じて、土壇場で笑いに走ってしまったのではないか。 残念な結果ではあるが、なぜか憎めない作品でもある。 icon-video-camera 『封印映像19 トンネルの怨響』に収録 各巻のおすすめエピソードのまとめ ここでは、上で触れなかった作品を中心に各巻をざっとレビューしていこう。 それぞれの巻の総合的な評価がわかるはずだ。 『封印映像 呪われた森』• 「制服の怨念」• 編集や加工でも構わないのだが、もう少し丁寧な仕事をしてもらいたい。 「 猿の手」は、恐怖という点ではイマイチだが、物語はそれなりに楽しめる。 「 八尺様」は、『16』でも同じバケモノを扱っており、が完成度は高い。 ただ本作の映像も悪くない。 「 制服の怨念」は表題作なのにほかの収録作より質が劣る。 『封印映像』は、なぜかサブタイトルになっている作品ほど奮わないという特徴がある。 字面がいいという理由だけで採用しているのだろう。 『封印映像10 呪われた同窓会』• 「首」• 「落書き」• 「壊れた家族」• 珍しい設定なので、興味のわく人は観てほしい。 「 首」「 落書き」は悪い作品ではないが、プラスアルファの何かが欲しかったところ。 「 壊れた家族」は普通の心霊現象で、『封印映像』らしさに欠ける。 『封印映像 再恐スペシャル2』• 「怨念人形」• 「ダンススタジオ」• 「浮気調査」• 「制服の怨念」• 例外は「 かごめかごめ」で、田中さんが問題の動画を実際に検索するという暴挙に出る(投稿映像の女性がどうなったかを知らないわけではあるまい)。 いつも冷静沈着な田中さんが動揺する。 そこが見どころ。 『封印映像15 廃墟の死霊』• 「深夜のいたずら」• 「 いちばんのファン」は、小道具や仕掛けが凝っていて意外に楽しめる。 「 シャドーピープル」は、『封印映像』シリーズのオリジナルの異形かと思っていたが、ちゃんと。 とはいえ、本質的にはただの黒い人影なので、映像としては迫力に欠ける。 本作はいろいろ工夫しているけども、ホラーとして質を高めるには課題も多い題材だ。 「 深夜のいたずら」は、ほかの作品が卒のない出来なので、比較するとかなり劣って見える。 シリーズ23作目でやることではないという気もする。 「 さがしもの」は、制作者のウケ狙いだとお見受けする。 いくらなんでも映像の処理が雑というか遊びすぎである。 個人的には嫌いではないけども。 「 天井裏の呪念 再取材篇」の見どころは、ぼくらの田中さんの豹変ぶり。 意外な一面を発見できる喜び。 これに尽きる。 『封印映像24 続・ひとりかくれんぼ』• 「練炭自殺 再取材編」• 予告編がおもしろそうだったので、いたずらに期待をしてしまったせいもあるかもしれない。 「 親孝行」は、お約束というべきか、本題の心霊現象が雑。 ただ、制作者はおそらくそこに重きを置いていない。 超高齢化社会の闇の部分を照らすというか、身につまされるというか、そんな社会派のメッセージすら読み取れてしまう。 怖いというより哀しい一編だ。 「 夜の地下道」は、怪奇現象そのものよりもそれが起こる空間が興味深い。 実際こんな場所があるのだろうか。 セットとも思えないから、実在するのだろう。 もっと空間の特徴を活かした何かがあればもっとよかったのだが……「何か」って? と問われると困るけども。 「 元カノに憑いた霊」も、心霊の現れ方がおざなり。 やはりそこで勝負することを放棄している。 そのぶん、お話はまあまあ楽しめる。 煮え切らないまま終わるのは、続編を作る気マンマンといったところか。 「 続・ひとりかくれんぼ」は、『24』のなかでは正統派の 趣 おもむきでいちおう怖がらせてはくれる。 ただ、もうちょっとプラスアルファがほしいと思うのは贅沢だろうか? 「う~む……」と頭を抱えてしまうのが「 練炭自殺 再取材編」。 さすがに「練炭自殺」シリーズはネタ切れの観がある。 「だから何?」という疑問符が付いてしまうのだ。 ところで、投稿心霊映像系の作品には「撮影しているシチュエーションが不自然」という特徴がある。 その点、『封印映像』シリーズは、 胡散 うさん臭さを拭うために工夫を凝らしている場合が多いので評価できる。 しかし、「親孝行」「夜の地下道」は、観ている途中で「そんなところ撮るかなあ?」と我に返ってしまった。 他にも撮影している必然性が感じられない作品はあり、その場合もあまり気にならないのだが、なぜかこの2作は途中で少し興醒めしてしまった。 『劇場版 封印映像25 天井裏の呪念 除霊編』• ただ、当ブログのようにDVDで鑑賞してしまうと、ほかの作品と違いはあまりわからない。 とはいえ、「大画面と大音響で観たら、もっと怖かったかも」と思わせる場面もあり、「劇場版」の看板に偽りはないようだ。 「 続・赤ずきんちゃん」は、当ブログで傑作と評した「」の続編。 これはリスキーな作品だ。 正編のほうは「ワケがわからない」ところが怖いので、謎が明らかになってしまうと、好奇心は刺激されても、恐怖心は和らいでしまう。 本作は謎が解けてスッキリという終わり方ではないが、新たな恐怖を提示しているわけでもない。 また、映像の内容を事前に説明してしまうという 愚 ぐも犯しており、『封印映像』シリーズにありがちな〈蛇足〉のエピソードになってしまっている。 よい題材なだけにじつに惜しい。 「 天井裏の呪念 除霊編」も続きもの。 こちらはボリュームたっぷりでなかなか手が込んでいる。 表題作でもあり、制作陣がもっとも力を注いだ作品といえる。 惜しむらくは『』に収録されている前作の二番煎じになってしまっていること。 あまり新しい驚きがない。 本作を劇場で公開するのであれば、前作は完全に不要だ。 『劇場版 封印映像26 ラブホテルの怨念 北関東〇〇県』• 3本のうち2本が過去作の続編だが、その正編を当ブログは高く評価している。 だから、なおさら見る目が厳しくなる。 「 続・白い着物」は、怪異のあった場所を霊能者とともに訪れて検証する、その趣向は面白い。 ただ、もっとネタを練りこんでもよかったと思う。 白い布から煙が出るシーンも、もっと布全体からわいている感じにしてほしかった(実際は、発煙筒のようなものから噴射しているように見える)。 こういったつくりの粗っぽさは、愛嬌があればよいのだけど、そうでないなら作品の質を下げるだけだ。 「 幼馴染」は、核心部分はよく出来ているとは思うものの、それを活かすなら、もっと短くシンプルな作品にしたほうがよかったのではないか。 「 ラブホテルの怨念 北関東〇〇県」は、単独の作品としては悪くはないのだが、やはり正編のクォリティが高いため、『封印映像』にありがちな蛇足になってしまっているのが残念。 『封印映像27 結婚呪い コープスブライド』• じつに悩ましい問題だ。 『封印映像』シリーズは、後者に重きを置くようになってきたようだ。 すなわち、映像作品として面白いことがもっとも重要。 以前からそういうコンセプトだったのかもしれないが、当ブログはこの27作目で確信した。 そういう目で見ると、本作は視聴者をあの手この手で楽しませようという気概にあふれ、全体的に良い仕上がりになっていると思う。 「 地下施設」の投稿映像そのものは、まさに 虚 こ 仮 けおどし。 しかし、怪異の背景として語られる設定と、田中さんらスタッフによる取材シーンの楽しさが、このエピソードを魅力的なものにしている。 「 川釣り」は怖いというより、じつは心温まる話。 細かいことだが、女性が驚くタイミングが少し早すぎた。 あと1〜2秒のタメがあったら良かった気がする。 そこが惜しい。 「 差出人不明」は、やや狙いすぎの観もあるが、なかなか作りこまれていて楽しめる。 魚眼レンズで撮った画面も良い効果を上げている。 「生活感のない家だな」という観る側のツッコミがしっかり伏線になっているのは見事。 タイトルの意味も最後にストンと 腑 ふに落ちる。 「 SNS」も作りこみすぎているので、そのぶん恐怖心は和らいでしまう。 しかし、最新のツールを利用した演出は、将来的に新しい怪異の出現を予感させる。 「 結婚呪い コープスブライド」は、設定や構成に飽きさせない工夫が施されている。 田中さんの活躍ぶりも見どころ。 冷静沈着を絵に描いたような田中さんが驚きの声を上げるなんて、尋常ではない事態だ。 『封印映像28 幽霊アプリ』• 「死身」• だから、あんまり怖くなくてもマイナスの評価にはならない。 とはいえ、本作は「ちょっと踏みこみが足りないのではないか」という不満を抱いてしまう。 それは、前作の出来が良かったので、こちらの期待値が高かったこともあるだろう。 「『27』と『29』に力を入れたので、この『28』は箸休めです」ということならいいのだが……。 「 エレベーター」は、エレベータの監視カメラがとらえた映像。 舞台となるエレベーターそのものがどこか異界のような雰囲気を醸し出している(扉の向こう側が異様なほど暗闇に包まれている)のは評価できる。 しかし、ここまで非現実的な空間なら、もっと派手な怪異が起こってもよさそうなのだが、『封印映像』シリーズにしては、おとなしい仕上がりで、物足りない。 過去作ではインパクトのある現象がたくさん見られるわけだし……。 「 千九山」は、有名な異形(妖怪というべきか)を題材としたもの。 伝奇小説を読んでいるみたいで興味がそそられる。 だが、いかんせんありふれた素材であり、時間も短いので、満足するまでにはいたらない。 投稿者たちがもっとひどい目に遭っていればまた印象はちがっていたと思うのだが……。 「 死身」は、出来が悪いわけではないのだが、2017年に、それも『封印映像』でやることではないように思う。 10年前の心霊ビデオならこれでも喜んだのだが……。 「 幽霊アプリ」は、文字どおり幽霊を探知するアプリがモチーフ。 「ほんとに幽霊が現れちゃった!」という展開になることは、タイトルを見た瞬間に予想できるが、こちらの想像の域を出ないのが残念。 異界のモノがその場にいたかのような実在感がもっとあれば……。 これも現象そのものはひと昔前の味わいだ。 いくらでも怖い展開にもっていけそうな題材なだけにじつに惜しい。 また、真相を究明するために霊能力者を呼び寄せるが、肩透かしの結末に終わる。 それ自体は制作者の意図したものだろうし、良い効果を上げる場合もあるだろう。 だが、本作の収録作品を振り返ると、すべて「肩透かし」のように思えてしまい、マイナスに働いている。 『29』にはぜひ期待したい。 『封印映像29 池のほとりの蓮美さん』• 「 クレーム処理」は興味深い現象。 ただ、恐怖度はそれほどでもない。 それらしい異形のモノが出てきてもよかったと思うのだが。 「 竹やぶ」は「心霊スポットに遊びにいって霊が現れる」という何億万回と繰り返されたシチュエーション。 それだけに、安定感・安心感がある。 映像の仕上がりは丁寧で好感は持てるものの、この「安定感・安心感」が恐怖を削いでしまっているのが残念なところ。 結末が「えげつない」のだが、この部分が映像化されていないのもよくない。 過去作には「えげつない」部分もちゃんと映していたわけだし。 画期的なアイディアというわけではないが、このような心霊ビデオ・投稿映像のフォーマットに落とし込まれると新鮮さを感じる。 しっかり「えげつない」映像があるのも評価ポイントだ。 また、プライバシー保護のモザイクを逆手にとった、さりげない演出にも注目したい。 なかなかおもしろい造形の異形が登場し、『封印映像』シリーズの面目躍如といった仕上がり。 怖がればいいのか、笑えばいいのか、戸惑いを覚えるが、「戸惑い」こそが『封印映像』の持ち味でもある。 『封印映像30 シャドーピープル 包帯少女』• 「 さっちゃん」は、古い日本家屋を探索する話(実家なので「探索」は大げさか)。 幽霊とか異形のモノが出てくるんだろう——と簡単に想像できる。 そこにどんなモノを出すのかがスタッフの腕の見せどころ。 「 ダム湖」も、じつは異形の造形が見どころ。 ただ、スタッフが取材をして怪異の背景があきらかになるが、ここは謎のままにしたほうがよかったかもしれない。 「 離苦悲唄」は、いわくありげな唄がモチーフで、これには異形は登場しない。 いわば先の2本とは味付けの異なる料理を味わう感覚で楽しめる。 シリーズ初期の怖い路線が少し復活したようで、少し嬉しい。 、『封印映像』は表題作が振るわないという法則があり、「 シャドーピープル 包帯少女」はほかの3作にくらべるとややクォリティが落ちる気がする。 心霊現象がしょぼいのは、霊能力者ジョンの活躍(?)を引き立てるためだとわかるが……もう少し工夫の余地があったようにも思う。 『封印映像31 監死カメラ』• 「 あいのり」は、心霊スポットで噂を検証するお話。 「どうせ禁忌(タブー)を破って、なにかが起こるんだろう」と、作品を観る前に簡単に予想がつけられる。 だが、そこは『封印映像』らしく、心霊現象にひとひねり、ふたひねり加えられており、ほどよく怖がれる一編となっている。 それに対して「 レシピブログ」は、怪異がおとなしい。 メリハリをつけるために、あえてそうしたのかもしれない。 「 獣人の怨念」は、展開はありふれたものだが、異形の見せ方が絶妙。 「千九山」に雰囲気が似ているが、こちらはきちんと投稿者たちが酷い目にあっているので、観る者の期待に応える良作といえる。 「 監死カメラ」で起こるのは、実際に自分の身に起こったら「怖い」というより「気持ち悪い」現象。 これもの「幽霊アプリ」になんとなく似ているが、こちらのほうが良い仕上がり。 それなりに恐ろしい異形も登場するうえ、予想の斜め上をいくオチにも拍手を送りたい。 他のパートが、投稿映像を引き立てるためにスタッフの取材があるのに対し、このパートは、スタッフのキャラクターを際立たせるために投稿映像がある。 結果、〈ホラー〉の度合いが低くなっている一方で、〈エンターテインメント性〉は高められている。 観る人によって好みは分かれるだろうが、当ブログはそれなりに評価したい。 「生き人形」といえば、がある。 幼少のころに聞かされた者としてはトラウマの題材であり、その文字を目にするだけで身構えてしまう。 「 呪いの生き人形」の投稿映像で展開するのはオーソドックスな現象だが、それだけに王道の恐怖が味わえるといえる。 投稿映像は、本シリーズが得意とする異形モノだが、 要 かなめとなる異形が本シリーズにしてはイマイチ怖くないため、スタッフの取材部分も空回りしている。 体を張ってがんばっているだけにじつに惜しい。 『封印映像33 呪われた地下アイドル』• シリーズの原点回帰といった趣だ。 いずれの作品も構成が緻密に練りあげられ、長尺の映像でも飽きがこない。 完成度の高い作品がそろっているといえる。 ただ、贅沢な悩みであることを承知したうえで、シリーズのファンとしてあえて文句をつけるなら、優等生すぎる嫌いがないでもない。 100点満点をめざしながら結果的に80点の及第点を取ったという感じ。 ほかの心霊・投稿ビデオシリーズならそれでもよいのだが、200点を得ようと実験的・意欲的な表現にもチャレンジし、結果70点の出来映えになっていた、というのが本シリーズの持ち味だったはず。 だから、観る側はやや困惑してしまうのだ。 「 音鳴り」は、〈霊〉とおぼしき存在にしっかりと実在感があるのがいい。 これによって臨場感が高まっている。 最後は、投稿者が部屋にもどったとき、〈女〉が〈行為〉を手伝っている、といった展開でもよかったかも。 「 曰く付き」は、登場する女性のふるまいが 撒 まき 餌 えとなって、絶妙に恐怖をあおっていく。 ただ、異形はそこそこ不気味だが、その造形には既視感がある。 手や足も曲がっていたほうがオリジナリティーが出そうだし、より怖かったのでは? 「 メリーさん」は、「メリーさん」という有名な怪談が絶妙にアレンジされ、緊迫感あふれる一編に仕上がっている。 ただ、卒なくまとまってしまっている観もある。 ラストは〈それ〉がいつの間にか運転席におり、車が走りだしてしまう、などといったナンセンスさがあっても面白かっただろう。 「 呪われた地下アイドル」は、偶然にとらえてしまったショッキングな事件の一部始終で、ほかの3編とは毛色が異なる。 ややネタバレだが、心霊現象ではない。 『封印映像34 ひよいくぐり』• 「 ひびわれ」は、珍しい怪現象が投稿者を襲う。 本作のように、その場にいる者が肉体的なダメージを被るのは恐怖度が高い。 「 見えるんです」は、最近の作品としては珍しいオーソドックスな心霊現象が発生する……と思わせながら、観る者の予想を上回る結果となる。 やはり異界のモノがフィジカルなアタックを仕掛けてくると戦慄する。 ただ、そうなると異形にもう少し実在感があるべきだったように思う(〈顔〉の角度が不自然)。 「 犬のおもちゃ」は、上の2作と比べると、どうしても地味な印象を受けてしまう。 心霊映像もインパクトが小さい。 怪異の背景にはこだわりを見せているが、それがうまく恐怖へつながっていないのが惜しい。 さて、何度か述べているが、本シリーズは表題作が奮わないというジンクスがある。 しかし、「 ひよいくぐり」は、それに反して『34』のなかでもっとも出来がよい。 「ひよいくぐり」という造語とおぼしきタイトルに伏線を仕込みつつ、怪異の い ・ わ ・ く ・も丁寧に作りこんでいる。 それがうまく恐怖を煽っており、「えげつない」映像もしっかり見せる。 上の3作にあった欠点は、本作で解消されている。 例によってわがままな注文をつけるなら、〈その者たち〉の姿が映りこんだりしていれば、より恐怖度が高まったかもしれない。 『封印映像35 心霊パパラッチ』• 一発目に持ってきていることから、制作者の自信のほどがうかがえる。 心霊スポットで心霊映像を撮影する。 何億回とくりかえされてきた題材だが、けっして白けさせることなく、手堅くまとめあげている。 本シリーズらしいスパイスを効かせているのも憎い。 ただ、この安定したつくりが安心感につながってしまい、恐怖感がやや和らいでしまっているのが惜しい。 長くつづくシリーズの宿命ではあるが……。 「 泥の人」は、ユニークな異形が登場。 観る者を楽しませようする制作陣の創作意欲は買いたい。 つくりが粗いのは意図どおりだろうが、〈恐怖〉か〈笑い〉か、いずれか一方に振りきれていれば、もう少し満足度も高まったのだが。 「 帰れなかった霊体」も、廃墟を探索する話で定番のパターン。 さまざまな怪異が起こるが、「下手な鉄砲……」の観もある。 い ・ わ ・ く ・が理屈めいているのも、恐怖度が下がる原因になっている。 「 ボウボウ」にも、多種多様な現象が詰めこまれている。 やはり恐怖度は高くないが、久しぶりにスタッフ・田中さんがインタビュー以外で現場に出張っている。 さらに、異界のモノの働きかけで田中さんが被害を受ける。 そこも見どころになる。 『封印映像36 きれいになりたい』• シリーズとして及第点を軽くクリアしながら、それでも妥協はせず、さらに一歩踏みこんで恐怖度や娯楽性を高めている印象だ。 シリーズのファンも初心者も満足できるパートとなっている。 「 タイムカプセル」は、文字どおりタイムカプセルを掘りおこそうとすると怪異が訪れる。 若者たちが醸し出す能天気な雰囲気がジワジワと剣呑なものに変わっていくのが見どころ。 異形の現われかたが絶妙で、そのあとに起こる蛇足のような現象も小技として効いている。 「 指が好きな女」は、ホテルに呼んだ風俗嬢が奇妙なふるまいをする。 心霊というより、生きた人間の持つ異常な精神を表現することに重きが置かれている。 展開は十分に予想できるものだが、だからこそ観る者の期待に応える内容ともいえる。 「 シンクロニシティ」は、友人とふたりで誕生日をお祝いした際に撮られた映像。 友人に異変が起こるが、本作も丁寧に恐怖を煽っていく構成が見事だ。 ただ、最後に現われる異形は、おぼろげな存在ではなく、あたかも目の前にいるかのような実在感を持っていたほうがよかったかもしれない。 「 きれいになりたい」は、アイドルがネット配信をしているときに体験した怪異。 小道具がうまく雰囲気を盛りあげる。 ラストも適度にえげつなく、本シリーズの面目躍如の仕上がりとなっている。 『封印映像37 廃工場に蠢く』• ただそれは、の出来栄えがあまりに良すぎたせいであって、けっして『37』のクォリティが低いわけではない。 とはいうものの、あと一歩踏み込んでもらいたかったという想いもあり、シリーズのファンとしては複雑な心境だ。 そんな『37』のなかでは、「 脱皮」がもっとも出来がよい。 中学校の同窓会の帰りに撮影者たちが恐怖に遭遇する。 本シリーズらしい思い切った表現が成果を挙げている。 ポイントは、「なぜそうなるか」がよくわからない点にある。 怪異をもたらす相手も幽霊なのか、それともモノノ 怪 けの類いなのか……。 その煮えきらない感じが作品に不気味なテイストを与えている。 「 廃工場に蠢く」は、映像制作会社が廃工場をロケハンした際に撮った映像。 「表題作は奮わない」という本シリーズのジンクスどおり、いささか不満の残る仕上がり。 「廃工場」という魅力的なホラー空間を舞台にしながら、そこで起こる怪現象がその「空間」に負けている。 「 蠢 うごめく」というおどろおどろしいタイトルもいたずらにハードルを上げている気がする。 「過去にこういう事件があったから、このような現象が起こったのだろう」などと、論理的に説明がつけられてしまうと、物語として腑に落ちても、恐怖は 殺 そがれてしまう。 せっかく田中さんが出張ってきた案件なのにもったいない。 「 宝物箱」は、同級生の隠した宝物箱を探す様子をスマホでとらえる。 「いったいなにが出てくるのか」と、期待と不安をあおる展開が良い。 そこで起こる現象の意味はわからないが、だからこそ、そこはかとない気味の悪さが漂う。 情報の出し方が的確で、観る者に想像する余地を残しているのも評価できる。 「 呪界の記録」は、肝試しの様子を映したとおぼしき映像。 雨が降りしきる深夜の林のなかで、若者たちが儀式めいたことを行なっている。 全編に剣呑な雰囲気が漂っているのが見どころだ。 怪異の背景も、なかなか珍しい題材をモチーフにしている。 もう少し え ・ げ ・ つ ・ な ・ い ・現象が起これば良かったのだが……。 『封印映像38 心霊スポット案内人』• feat. TAMAKIといった趣で、制作陣には真面目に怪奇現象を見せようという思惑はない。 本格的なホラー・ドキュメンタリーの味わいを期待していると、当然ながら肩透かしを食らってしまうだろう。 「 トレーニングの代償」は、投稿者もどこか不誠実で、作品にいかがわしいテイストが加えられていて悪くはない。 ただ、怪異の表現に力を入れていないにしても、二番煎じでもよいから、ひとつでも「おっ!」となるような描写がほしかった。 そうすることで、スタッフの無能ぶり (失礼)のおかしみが際立ったはずだ。 「 心霊スポット案内人」は、表題作であるがゆえに、本シリーズのジンクスにしたがって期待していなかったのだが、案の定、不完全燃焼の仕上がりになっている。 玉置さんのふるまいは楽しく、そこがこのエピソードの白眉ではあるのだが、やはり怪奇現象の部分が弱いと、作品全体にピンボケ感が漂ってしまう。 「 隣人トラブル」は、先の2作にくらべると、今度はスタッフの挙動が平々凡々で面白くない。 「 ピアノ発表会」は、怪異の背景や設定をつくりこんでおり、本パートのなかでもっとも誠実な出来栄え。 ただ、お話が理屈めいていて、無難にまとまっているぶん、恐怖感も 殺 そがれてしまっている。 メインとなる怪現象そのものは興味深いが、もっと細かい不可解な現象が立て続けに起こったり、事故と考えられているけどじつは他殺で、映像に映りこんでいるのは被害者ではなく……などといった捻りがあったりと、もう一工夫ほしい。 『封印映像39 都市伝説 赤シャツの男』• 4つのエピソードはそれぞれ独立しているが、じつは元凶は共通しているのではないか、といった深読みもでき、印象深い仕上がりになっている。 「 アナログテレビ」は、廃墟のなかを探索していると、部屋のなかにポツンと不自然にテレビが置かれているのを発見する。 撮影している場所がそもそも不気味であり、全編に緊張感が漂う。 出現する異形もなかなかの恐怖度だ。 ただ、のちの取材で怪異の背景があきらかになるが、やや説明的なのが難点。 現地の人のコトバやナレーションで語るのではなく、廃墟のなかに そ ・ れ ・を臭わせる小道具などが置いてあればよかったのだが。 「 浮遊する魂」は、友人の女性の部屋をおとずれた男がなにかをしでかす。 撮影者のえげつないふるまいが見どころになる。 「いくらなんでもそのまんますぎる」と面食らうものの、その臆面のなさがかえってすがすがしい。 「 うらない」は、投稿者が怪しい占い師を隠し撮りする。 「バレたらどうしよう?」と、撮影者に感情移入しながら焦燥感を味わえる。 展開は観る者の想像を超えるものではないにしても、設定が意外に凝っており、鑑賞後の満足感は高い。 「 都市伝説 赤シャツの男」は、さまざまな投稿映像に映りこむ謎の男にスポットを当てる。 「表題作ほど奮わない」という本シリーズのジンクスを破り、このパートでもっとも評価したいエピソード。 とてつもないことが起こる——わけではないのだが、だからこそ日常に忍びこむ怪異といった趣で、なんともいえない不気味さが漂っている。 正体がまったくわからないところも、ホラーとしての質を高めている。 『封印映像40 怨送り』• 奇抜なアイディアが盛りこまれていたり、目を 瞠 みはるような展開があったりするわけではないが、クォリティは安定しているといえるだろう。 「 トマソン」は、どこにも通じていない階段や意味のない扉など、特殊な建造物を表わす言葉をモチーフにした作品。 団地のなかにある〈トマソン〉にまつわる怪異が展開する。 本来〈トマソン〉は怪奇現象とは無関係だが、あえてそこに オカルト的なイメージを見出すことによって不気味さが 滲 にじみ出てくる。 なかなか良いところに目をつけたものだ。 実際、本作に登場する〈トマソン〉は剣呑な雰囲気が漂っている。 展開にやや不可解な点も見受けられるが、続編が予定されているのだろうか。 「 撮り鉄」は、無人駅で電車を撮影していると奇妙なモノに遭遇する。 本シリーズでは久しく味わっていなかったテイストだ。 こういうのばかりでは 辟 へき 易 えきしてしまうが、たまに混ざってくるのであれば、よいアクセントとして楽しめる。 「 ビニラー」は、あちこちがビニールで覆われた不気味な部屋で起こった恐るべき出来事をとらえる。 このキャラクター造形は大いに評価したい。 撮影者が生命の危機にさらされるので、観ているほうも緊張を強いられてしまう。 本シリーズらしいオチのつけかたも良い。 「 怨送り」は、高校時代の同級生たちに次々と不可解な不幸が訪れる。 これまた久しぶりに霊能力者・ジョン氏が登場。 話の展開や怪異の背景などは、じつはありふれたものなのだが、そこに ジョン氏の活躍が加わることによって、新鮮なおかしみが醸し出される。 『封印映像41 田中』• 全体の尺を60分とすると1作品あたり約15分となるが、それぞれこの半分ぐらいの時間(7〜8分)で展開していれば満足感も高まったように思う。 「 ツーリング」は、バイクで走行する様子を撮影していると怪異に遭遇する。 怪異は王道のように見せかけて 本シリーズらしいテイストで表現されているのは良い。 ただ、やはりそこに至るまでが長い。 小道具で雰囲気を盛り上げようとする意図はわかるのだが、それらがもう少し 突飛な出現のしかたをしてもいいのでは?(道路に落ちているのでなく、空中から降ってくるとか) 「 お葬式」は、妊婦が葬儀に出席する際の迷信にまつわる怪現象をとらえる。 この 不気味な題材に目をつけた着眼点は評価したい。 だが、やはりムダな描写が多く焦点がぼけてしまっている。 親戚が出かける前の様子を撮って「なにかあるぞ」と思わせ、帰宅したところで案の定となるが、意外にも……みたいな展開なしかたをするべきではなかろうか。 投稿映像に映し出されたモノの意味をよくよく考えるとけっこう恐ろしいのだが、そこがうまく表現されておらず惜しい(それだけの時間は十分にあったはず)。 「 ビデオレター」は、病に侵された父親が、別居している娘に送る映像を撮影していると奇妙な現象が映し出される。 怪異そのものは本シリーズにしては地味。 ただ、本作の肝はそこではなく、 映像に映る父親と母親である投稿者の関係性なのかもしれない。 だとすると、やはりその部分の描写が弱いように思う。 15分の長尺であればそこにもっと注力すべきだし、その要素を省略するなら、やはり 露骨な怪現象を短時間で見せるべきだった。 「 田中」は、動画配信のために心霊スポットの廃屋に侵入すると怪異が撮影されてしまう。 撮影場所に不気味な雰囲気が漂い、 全編に緊張感が漂っている。 出現する異形も悪くない。 われらが田中さんを否応なしに連想させ、本作を観ればタイトルの意味も腑には落ちる。 もっとえげつなくやっても良かったのでは? 『封印映像42 死水』• いずれの作品も、シリーズを特長づけていた要素を盛り込みつつ、そこで満足することなく、 ひとひねり加えて質が高められている。 シリーズのファンとしても十分に満足できる出来栄えだ。 サブタイトルは「死水」。 「表題作ほど奮わない」というジンクスは本パートには当てはまらない。 これは嬉しい誤算だ。 やはり〈封印映像〉らしからぬ(?)小技といえるかもしれない。 表現を ギャグすれすれまで振り切っているのは観ている側としては大歓迎だ。 「 お手入れさん」は、儀式によって不可思議な存在を呼び出そうとするお話。 これもシリーズの定番の展開といえる。 このひねりがうまく利いている。 着眼点の巧みさが光る一作。 ほどよく不可解で、 観る者のイマジネーションがかきたてられる。 映像のテンポも抜群。 小道具の使い方もうまい。 「 死水」は、いわくつきの部屋で除霊を行なう。 心霊ビデオの類いでは、 何百万回と繰り返されてきたシチュエーション。 現象そのものも凡庸だ。 しかし、そこに 〈封印映像〉らしい味つけをほどこすと、非凡な作品ができあがる。 霊能力者のジョン氏と中深迫氏が共演。 ひとつわがままをいえば、現象をもっと怖いものにしても良かったと思う。 『封印映像43 御井戸様』• ともすれば 「安定感」は恐怖感を削ぐ結果になりかねないが、本シリーズが「恐怖」よりも「楽しさ」に重きを置いていると考えれば、悪くない傾向といえる。 「 ブランコ」はナンパに失敗したふたりの若者が帰り道で怪異に遭遇する。 一発芸のようなワンアイデアの現象にもかかわらず、なかなかのインパクトだ。 い ・ わ ・ く ・も語られるが、例によって蛇足のように思う。 こういう現象こそ、不条理さを追究したほうが恐怖感は高まったはずだ。 「 古民家探し」は、古い物件を探していた女性が恐怖の体験をする。 このエピソードでも怪異の背景が語られるが、 むしろ背景のほうにこだわりを見せる。 その内容はなかなか興味深いものの、肝心の怪奇現象にあまり怖さを感じないのが惜しい(そういう趣旨の作品であることは理解できるのだが)。 「 サバイバルゲーム」は、サバイバルゲームを楽しんでいた投稿者が恐るべき現象に巻き込まれる。 あきらかに殺意を持ったモノが突進してくるのは、かなりの恐怖。 そこは出色の出来栄えだ。 このエピソードも「なぜこんなことが起こったのか」が説明される。 それが必ずしも作品のクォリティを下げているわけではないのだが、当ブログの好みでは、やはりここは「ワケがわからない」ままのほうが良かったと思う。 「 御井戸様」は、民族学に興味を持つ若者が旅行先でとんでもないモノに遭遇する。 表題作を観る際は、いつも博打のように期待と不安が入り交じる。 今回は吉と出た。 「 部外者の外出を禁止して行なわれる秘儀」という状況が恐怖のムードを盛り上げていく。 核心部分は他の心霊ビデオシリーズで見かけたようなシロモノだが、臆面なくやってのけるところに 本シリーズの潔さを感じる。 賛否は分かれそうだが、当ブログは支持したい。 『封印映像44 寄生虫』• あくまで この2人のふるまいにスポットを当てるのがメインで、現象のほうはサブとしておざなり——と予想していたのだが、意外にも(といっては失礼ながら) サブであるはずの怪現象もしっかりつくりこまれている。 「 道連れの場所」は、学校の屋上で起こった奇妙な出来事を撮影したもの。 話がどう転がっていくのか予想がつかず、 まったく 明後日 あさっての方向からモチーフを持ってきている。 インパクトに欠けるのが難点だが、玉置氏・山口氏のグダグダっぷりを加味すれば、なかなか楽しめる一編といえる。 「 心霊スポット案内人2」は、あろうことか『38』収録のエピソードの続編。 投稿映像では、なにが起こっているのか理解できず、ナレーションで背景が語られても理屈に合わず、 そこがかえって不気味さを醸し出している。 玉置氏たちのやりとりも見どころにはなるが、前回ほどの滑稽さがないのは惜しい。 「 二口女」は、不審な女がゴミをあさっている映像に、とんでもない異形の姿が映る。 この異形の造形をまずは評価したい。 やはり玉置氏たちが現場に出張る展開となるが、本シリーズの持ち味を活かすなら、もう少し意外性があってもよかったように思う。 「 寄生虫」は、山口氏の友人が不可解な現象に悩まされる。 タイトルからして剣呑な雰囲気が漂うし表題作でもある。 期待半分、不安半分といったところだが、悪くない出来栄えだ。 玉置氏たちが騒動の渦中に放り込まれるため臨場感がある。 本作にも異形が登場するが、こちらも造形にこだわりを見せている。 ただ、もっとえげつない展開になってもおもしろかった気がする (ふたりのうち、どちらかが異形に噛まれるとか)。 『封印映像45 抜苦与楽』• 古くからシリーズを観ている人に向けた ファンサービスとして、あるいはシリーズを初めて観る人に対する 入門編としての役目を本パートは果たす。 その結果得られた〈答え〉が4つのエピソードに結実している。 本パートで提示されている〈 答え〉とはなんだろう? 「ひょっとすると自分のまわりでも起こるかもしれない」という〈 現実感〉と、「実際に自分の身に起こったとしたら生きた心地がしない」といった〈 恐怖感〉。 この2つの味わいを絶妙に混ぜ合わせること。 本パートでは、〈現実感〉と〈恐怖感〉をブレンドする割合がエピソードごとに絶妙に変えられている。 つまり、 さまざまな恐怖のバリエーションを愉しめるようになっているのだ。 古くからのシリーズのファンはある種の懐かしさを覚え、初めてシリーズを観る人は『封印映像』の力量を測り今後の視聴の指針にできる。 だからこそ、シリーズのファンはもちろん、初めて『封印映像』に触れる人も必見のパートといえるわけだ。 コトの真相が心霊現象であろうと、なにかしら合理的に説明のつく現象であろうと、そんな理屈はお構いなし。 問答無用で恐怖のどん底に突き落とされる(いや、引きずりこまれる)のが魅力だ。 なにげない場所がじつは〈死〉と隣り合わせにあったことを気づかせてくれる。 シチュエーションや設定は、じつはこの手の作品としてありふれたものかもしれない。 だからこそ、 「実際に起こったら嫌だな」という盤石な恐怖心が観る者のココロに生まれる。 このエピソードも見慣れたシチュエーション。 展開もおおよそ予想がつけられる。 しかし、 最後まで観る者を飽きさせず手堅くまとめあげている手腕はお見事。 自分の住む部屋のせまい空間で怪異が起こるのがまず恐怖。 逃げ場がどこにもないからだ。 スタッフの調査などでいちおう怪現象の説明はつけられるが、どことなく理屈に合わない。 『封印映像46 くりかえ死』• しかし、以下に述べる理由から、 けっして悲観すべきことではない。 まず、 『45』の出来栄えがあまりに良すぎた。 観る者のハードルは上がっている。 どのようなつくりであっても、多かれ少なかれ不満は残る。 だが、シリーズ全体を見渡せば、 『46』も及第点以上のクォリティは保たれている。 また、例外はあるものの、『46』におさめられたエピソードは、いずれも 廃墟などの「心霊スポット」を舞台にしている。 心霊・怪現象を記録したビデオシリーズとしては、何万回とくりかえされたシチュエーション。 どうしても既視感は拭えない。 逆に考えれば、 盤石・王道の恐怖を味わえるともいえる。 小手先のごまかしが利かないぶん、制作陣の力量が問われる。 実際、『46』の各エピソードは、 なにも起こらない場面でも緊迫感が漂う。 手堅いつくりなのはまちがいない。 そして、多くの人が気づかない、ことによると制作陣さえも意識していなかった点に当ブログは注目した。 そこに「パワーダウン」と思ってしまう原因がある。 『封印映像』初心者はそこに目を向けるだろう。 その点に注目する。 漫然と観ていると、目立たないし印象にも残らない。 その観点から各エピソードをざっと振りかえってみよう。 終盤で命の危険にさらされるので、一見すると、そこが恐怖の核心となる。 とはいえ、あの世のモノとおぼしき存在が出現する場面は、もう少し工夫の余地があったように思う。 そこが惜しい。 このエピソードもシリーズの持ち味が出るのは終盤だ。 しかし、やはり 中盤の怪現象のほうにエッセンスが詰まっている。 いままで見たことのないような出来事——というわけではない。 だが、現象のつくりこみやタイミングが絶妙で、そこから得られる恐怖感は、けっして凡庸なものではない。 家に持ち帰ったことで怪現象に巻きこまれる。 ところが本エピソードでは、(ややネタバレとなるが) ずっと画面に映りつづけている。 最初は気づかない——いや、じつは気づいていたのだが、あとからその事実がわかるため、恐怖が倍増する。 本来なら注目すべきポイントではないので、 無意識のうちに恐怖の下地がつくられてしまうことになる。 大方の予想どおり、心霊現象が起こるのだが、 異形のふるまいにちょっとしたひねりが加えられている。 その「ひねり」は本題ではないため、観ている者は意識しない。 『封印映像47 おうまがどき』• 出来の悪いエピソードは含まれていない。 観る者の期待に応えてはいる。 ただ、ホラー作品において「安定」は厄介だ。 とくに 『封印映像』との相性は悪い。 以前のパートより点数は高いものの「らしくない」。 むしろ 歓迎すべき制作姿勢であることも事実だ。 投稿者が肉体的なダメージを受けるので純粋に恐怖心を覚えるし、かといって決してやりすぎていないのがポイントだ。 家の売り主が剣呑な雰囲気を漂わせているのが魅力。 このエピソードで起こる現象も「王道」といえる。 ただ「王道」は、えてして「凡庸」に転がってしまいがち。 「おうまがどき(逢う魔が時)」と禍々しいタイトルがついている割には、現象は小粒な印象を受けてしまう。 後述する「単身赴任」のような異形が出現すれば良かったのだが……。 やはり既視感を覚えるシチュエーション。 それ自体は制作陣の意図したもので、むしろ いわく ・・・のほうに注力したエピソードといえる。 だとすると、「いわく」をもう少しだけつくりこんでほしかったところだ (滝の名前がダブル・ミーニングになっているとか)。 『47』でもっとも評価すべきエピソード。 怪現象の仕上がり、 いわく ・・・ のつくりこみもバランスが良い。 田中さんが出張って原因を解明していきながらも、説明のつかない部分が残り、そこに恐怖が入りこむ余地が生まれている。 『封印映像48 真っ赤な風船』• 観る者の予想を裏切ることは娯楽作品のイロハのイ。 まさに王道のつくりといえる。 タイトルどおり「看護師」がなにかをしでかすのだろうと簡単に予想がつけられる。 「病院」という舞台も心霊スポットとしては凡庸だ。 怪現象は手堅いつくりでクォリティーは及第点に達している。 ただ、欲をいえば、 異形をもう少し恐くできたのではないかとも思う(けっして出来が悪いわけではないのだが)。 そこも注目ポイント。 こちらも怪現象の描写に手抜かりはない。 また 異形が撮影者に直接的に働きかけてくるのは、やはり〈恐怖感〉が高い。 映像に異変が生じているわけだが、はたして肉眼ではどう見えた(感じた)のだろう? そんな想像も広がっていく。 表題作ということもあり (本シリーズの場合「表題作にもかかわらず」というべきか)、本シリーズのヒーロー(?)、霊能力者の中深迫氏が登場。 『48』のなかでもっとも高い完成度を誇るエピソードだ。 展開がまったく予想できず、 怪異の背景にも奥深さを想像させる。 ただ、本作では「真っ赤な風船」が恐怖を呼びおこすキーアイテムになっているわけだが、 もっとあからさまに 禍々 まがまが しさを感じさせるモノであったらなお良かった気もする (「赤ではなく【黒い風船】にする」「風船とは思えない挙動をする」「風船に血がついている」とか)。 もちろん、これは個人的なわがまま、「あえてイチャモンをつければ」の話。 本シリーズのファンおよび一見さんも十分に満足できる出来栄えであることはまちがいない。 『封印映像49』(レビュー準備中)• 「ぬれよめじょ」• 「ゴミ屋敷」• 「指導死」• 「暗黒の走者 前編」 『封印映像』はフェイクとして楽しもう 『封印映像』を一度でも観たことがあれば、このシリーズが作り物(フェイク)であることは 一 いち 目 もく 瞭 りょう 然 ぜんのはずだ。 ところが、個人のブログなどで、真実かどうかで悩んでいる人を見かけることがある。 もちろん、当ブログは制作関係者ではないので、「じつはフェイクに見せかけたホンモノ」の可能性を完全には否定できない。 それでも当ブログは、『封印映像』はもちろん、世にはびこる心霊ビデオの類はすべてフィクションであるという立場をとる。 ホンモノかニセモノか。 観る人が決めればいいことかもしれない。 問題は、「どうせウソなんだろ」と 疑 ぎ 心 しん 暗 あん 鬼 きになって、せっかくの傑作を満喫できなくなることだ。 たとえるなら、手品に対して「どうせタネも仕掛けもあるんだろ」と、そっぽをむいてしまう。 それは 愚 ぐの 骨頂 こっちょうだ。 「そうだとしてもすごいね」と言いながらも楽しめるのが優れたマジシャンの行なう手品だ。 『封印映像』も手品と同じ。 「フェイクだけどよく出来てるなあ」「どうせウソならもうちょっとこうすればいいのに」などと思いながら観るのが幸せな鑑賞態度といえるのだ。 icon-arrow-circle-down こちらの心霊・投稿系ビデオシリーズもおすすめ。

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海野十三 電気看板の神経

呪 われ た 死霊 館

シリーズ全世界興収17. 9億ドル超の『死霊館』ユニバース最新作『』が9月20日より全国公開中。 全世界では6月に公開し、全世界興行収入が2. 25億ドルを突破し、驚異の大ヒットを記録。 今年一番のホラーサスペンス映画となっている。 『死霊館』(13)で日本を恐怖のどん底に陥れたアナベル人形。 その人形は実在し、現在もコネティカット州にある超常現象研究家ウォーレン夫妻の博物館に厳重に保管され、月に2回、神父による祈祷が行われている。 現代ホラーの名手が強力タッグを組み、最恐にポップなホラーアイコン〈アナベル〉が、少女たちと観客を極限の恐怖へと突き落とす。 『死霊館』シリーズではおなじみのパトリック・ウィルソンとベラ・ファーミガ演じるウォーレン夫妻が登場するほか、夫妻の娘であり本作の主人公ジュディを『ギフテッド』『アイ、トーニャ』『キャプテン・マーベル』などハリウッド話題作に引っ張りだこの注目子役、マッケナ・グレイスが演じる。 』のゲイリー・ドーベルマン、製作は『死霊館』「ワイルド・スピード」シリーズのジェームズ・ワン。 当時看護大学生だった女性ドナは、母親から誕生日プレゼントで人形をもらいます。 最初は喜び大切に部屋に飾っていたドナですが、その後徐々に怪奇現象が起きるようになります。 留守番中に移動するアナベル、心当たりのない羊皮紙に書かれた「助けて」の文字、アナベル人形に近づいて胸に7つの爪痕が出来た友人……ようやく事の重大さに気付いたドナ達は心霊研究家ウォーレン夫妻に助けを求め、アナベル人形はオカルト博物館の特製キャビネットに保管される事になります。 しかしアナベルの呪いはここでは終わりません。 アナベルを冒涜したら…… 「悪魔より神の方が偉大!」とアナベル人形を放り投げた神父がその日の帰り道にトラックとの接触事故に…。 神父は一命を取り留めましたが、事故の直前バックミラーに人形が写っていたそう。 いかがでしたでしょうか? 現在絶賛公開中の『アナベル 死霊博物館』ではアナベルのみならずなんと死霊博物館内の全アイテムが動き出す!? 映画『アナベル 死霊博物館』US版予告【HD】2019年9月20日(金)公開.

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『TATARI 02』

呪 われ た 死霊 館

ネタバレ! クリックして本文を読む 自宅にて鑑賞。 日本劇場未公開作で原題"Haunt"。 某作その儘の邦題だが、スタッフが微かに掠ってるだけの類似作で関連は無い。 このテのには珍しく冬が舞台。 中盤、手巻きの交信機が出て来てから急展開するかと思いきや、三歩進んで二歩下がるかの如く何故そうなると首を傾げる展開が目に余る 一例挙げると、イチャつく二人を背中越しに見守る幽霊とはまるでコメディだ。 ・画面に写る登場人物達も知りえないカットバックやインサートショットが多用され、一定のリズムと雰囲気作りを担っているが、説明的過ぎる場合も少なからず存在し、恐怖度は進行と共に下がる一方である。 どこかで見掛けた様なシーンも散見出来、全篇で怖がらせようとする意図やサービス精神旺盛なのは伝わるが、空回りを繰り返すのみでお粗末にしか思えない。 ただ箱に収まった アメリカ陸軍通信部隊周波数計"BC-221-AK"を改良したものらしい 交信機はいかにもそれっぽく、他にもタングステン灯等、ガジェット類は悪くない。 リベラトが変な存在。 幾ら虐待を受けていたとしても、一度出逢っただけの引っ越し間もないご近所さんの寝床に夜這いの如く潜り込んだり、朝からシャワーを浴び、我が物顔で然程親しくもない隣家をのし歩き居付く様 年頃とは云え、問題視しないハウスホストの両親も寛大過ぎる は如何なものか。 機械を見付けたのも彼女だし、どんどん噺を妙な方向に導き、ラストに至る迄、碌な事しない正にトラブルメーカー。 少々勇み足気味に展開を急ぎ過ぎた煩雑で未整理な脚本に問題有りか。 ・主人公H. ウィマーは刺身のつま状態で影が薄い。 ウィーヴァーが少ない出番乍ら、狂気を孕んだ演技が印象的だった。 ・因果律を描きたかったのかもしれないが、一番報いを受けそうなJ. ・エンドクレジット前のタイトルコールが『インシディアス』シリーズ '10・'13・'15・'18 っぽい表示法とSEだと思ったら、シリーズで製作総指揮を務めるS. シュナイダーがアンクレジット乍ら、本作の製作として関係していた。 シュナイダーと云えば『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ '07・'10・'12・'14・'15・何故か『3 '11 』のみ無関係 や『ヴィジット '15 』、『ブレア・ウィッチ '16 』他、ホラー一筋に30作以上で製作・製作総指揮を手掛けた強者である。 ・ロケは'02年冬季オリンピックが開催された米国ユタ州ソルトレイクシティで行われた。 撮影に入る前段階で冬の設定は意図していなかったが、クランクイン直後からたまたま降雪が続き、現場は雪景色となってしまった。 これに対し、製作陣は撮影続行を決断し、冬が舞台となったと云う。 ・鑑賞日:2018年2月16日 金.

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