所ジョージ インタビュー。 所ジョージ インタビュー

【所ジョージ・インタビュー】『所さんの世田谷ベース』に潜入! 人生を面白くする「遊び、仕事、日々の暮らし」 2ページ目

所ジョージ インタビュー

多趣味・多芸・多才で知られる所ジョージだが、そもそも彼のキャリアのスタートは音楽にあり、れっきとしたシンガーソングライターのひとりである。 創意工夫の人生を全力の自由人として闊歩する人物ゆえ、多面的なタレント人の印象が強いものの、彼の作る音楽には、甘みとしょっぱさとビリっと痺れる毒気がいつもたっぷりと仕込まれている。 ふざけた視点と、どうでもいいことをそのまま歌ってしまったような屈託のないテーマが全面に踊り出るが、その目線の切れ味は異様に鋭かったりするから、たちが悪い。 わざわざ自主レーベルを立ち上げてのアルバム発売、しかも2枚同時リリースで、フルアルバムながら1枚700円+税という人を喰った価格設定が敷かれている。 この人は何を考えているのか。 目的は何なのか…というか目的はあるのか? 音楽が売れないと嘆かれている今、唐突にアルバム2枚をリリースする真意は? 本人に直撃すべく、BARKS編集長自ら世田谷ベースに乗り込んだ。 全4回にわたってお送りする当インタビュー、軽快な語り口調から覗かせる核心のキーワードを存分に楽しんでいただきたい。 さてどこから話を切り出そうかと身構えていると、「ま、今、お茶とコーヒーを入れているから」と、しょっぱなから世間話モードに突入、そのまま雑談が始まった。 入れているけど使ったことない。 所ジョージ:いや、面白味ですよね。 理に適ってない遊びはいくら先端だって言われてもなんかピンとこないんだよね。 所ジョージ:そっちのほうがまだ面白いよね(笑)。 でも私はね、ゲームとかに夢中になんないんだよね。 …みたいな(笑)。 所ジョージ:あれもやらないね。 ただ、あれが上手くなってもねぇ。 階段昇っていけば誰でも行けるようなところは登らないんだよね、私はそういう性格。 「ずーっとやっていけばこなせる」みたいなものには興味がない。 だって、それってみんなができるでしょ。 だから階段のないところのほうが面白い。 それは昇り着かないんですけどね。 でもやってる行為が面白いんで、そっちに行っちゃいますよねぇ。 でも、それは「無駄じゃない」んだよね。 自分への刺激になるんで、他のものに置き換えられる。 所ジョージ:溜まるんですよ。 今も起きて、朝から鉄砲を磨いているんですけど、磨くために1回全部剥離してっていう作業が大変。 で、その後平面を出す作業が大変。 で、それを1回錆びさせて、錆びさせるとぐしゃぐしゃになっちゃうんだけど、それをまた磨くっていう作業をするんです。 所ジョージ:頼まれてないし、商売するつもりもない(笑)。 ピカピカしているおもちゃの鉄砲を作るために、すごい遠回りをしているわけ。 逆に「お前もやれ」みたいな。 でも、巻き込まれたスタッフもなんだか嬉しそうで。 頼んだわけじゃないですよ。 「君のものを作りなさい」と渡してあげて、「これは君のものだから、自分のものを作ってみなさい」と。 所ジョージ:鉄砲磨きをやり出すと、みんなやり出しますよね。 で、1回全滅みたいなことにもなるんですよ。 こんなに錆びちゃったらもうダメだろう、みたいな。 所ジョージ:する。 仕事終わって夜8時から12時までずっと磨いて、朝6時に起きて仕事が始まるまで、ずっと磨いてる。 そうやってできあがった鉄砲を適当に並べておくと、どんどんできあがって溜まっていく。 その様はアルバムを作ってるのとまったく同じですよね。 所ジョージ:まったく同じ手順。 1回台無しにして磨きこんで輝かせるっていうのは、鉄砲も曲も同じ手順だよね。 だから歌を作ってても、詞もメロディもスムーズに終わっちゃうとなんかつまんないよね。 スムーズに終わらないものを作って、なんとか皆さんの耳に残る心地悪くない程度のところまで磨き込まなきゃっていう作業ですよね。 メロディラインはいちばん磨き込むかな。 詞は、もともと変わった表現をしたいとか、変わった言葉、使わないような言葉を持ってきたいっていうのがずっと昔から…デビューした頃からあるんで、もうそこは40年ぐらい培ってるから、そんなに大して磨かなくても出てくるけどね。 所ジョージ:メロはスムーズに終わっちゃうと「ああ、こんなんじゃもう全然面白くない」みたいな気がするね。 1回台無しにして、すごくちぐはぐなものを作って、ちぐはぐでなんとかここが繋がらないのかなって、無理矢理な作業をするんだけど、それはもう磨きこんでいくのとまったく同じ。 所ジョージ:別に、僕はレーベルは無くてもかまわない、それは別に気にしてないんですよ。 このレーベルなんだからみんなも入ってこない?とか…まあ多少そうなってくれば面白いけど、そんなに気にしてないんですよ。 とにかくなんていうかね、バカなアプローチというか、とにかく安くCDを出したいっていうところかな。 歌なんかこんなもんなんだっていう表現をしたい。 所ジョージ:権利とかセールスを意識して歌を作ったりとか…なんだろうね、やれレコード会社が違うと一緒に演れないとか、そういうのがもう不自由な感じがして。 でもレコード会社が違うんで名前出せないから、私が歌ってコンピューターで作り直したと嘘ついてっていう大人の形を作って整えて出すわけです。 それも面白いアプローチだなと、僕は思っていたんです。 「いいじゃん、取っ払いで内緒でやれば」っていう。 だから「決まり事があるけど、見て見ぬふりしようぜ、これは」っていうほうが、僕はより大人っぽいと思うんですよ。 「決まり事があるけど、来いよ、いいや、やっちゃおうぜ」って。 所ジョージ:そうなんですよ。 それのほうが面白い。 だから今回のアルバムもそういうアプローチをしたくて、今回はできるだけ安く売っちまおうと。 所ジョージ:なんだろう…みんな歌を2千円とか3千円でアルバムを売ってて、僕は「価値ねえよ」って思ってるんですよ。 でも僕は、ベスト10なんか入ってこないのに、自分の歌にはめちゃめちゃ自信があるの。 妙な自信があって「他の歌い手さんが俺を仲間に入れないだけだ」って、勝手に思ってんの。 俺を仲間に入れちゃうと、音楽業界の順番とかいろんなものが崩れちゃうから、「あいつは入れるのやめようぜ」って言ってるんだと思っている。 だから俺のこと、聴いて聴かないふりしてるんだ、と。 で、変な自信があるから、すごい歳とって息絶え絶えの時、振り返って「ああ、俺面白かったね」って思いたいんだよね。 だからそれの種まきみたいな話だよね。 700円のアルバムなんて多分誰にもできないんで。 そういうのを作りたかったんですよね。 所ジョージ:うん(笑)。 それ、3千円で売ったらもうとっくに儲かってますよ。 所ジョージ:ああ、そうですね。 うん(笑)。 所ジョージ:後が楽しいんですよ。 「あ!これ、一応はビジネスなんじゃん」って気付いた時、「これじゃ成立しないじゃん!」って、後で言うのが面白いわけ。 出だし間違ってんじゃん」って(笑)。 「やっぱり3千円で売らないと利益って出ないね」なんて言っているのが面白いよね。 それはお金に代えられないんですよ。 例えば1万枚~2万枚売れて3千円で売っていれば3千万円~6千万円の売上がありました、と。 で、車を2台買いましたと。 …そんなの大したことないじゃん。 所ジョージ:普通のビジネスで刺激がない。 所ジョージ:例えば入ってきた2千万円というお金は、結局使うわけでしょ?でもね、2千万円~3千万円じゃ、こんな面白いことはできないよ。 所ジョージ:だから(お金は)使っている感じがするんですよ。 例えば、うちに北野(武)さんが遊びに来るっていうのは、言い方変えれば北野さんに来てもらって1日拘束するわけだよね。 僕が知り合いじゃなかったら500万円ぐらいかかると思うと、500万円使った気持ちになれる。 僕はね。 所ジョージ:だから年間に何億円も使っていると思えるよね。 ただ知り合いだからそれが無料になってるだけで、知り合いじゃなかったら何億円も使っているわけだし。 歩道橋を渡っただけでも、誰も渡ってなければ国が俺の為に何億も使ってこれを作ってくれたって思えるからね。 所ジョージ:みんながその歩道橋を使っているんだったらそうじゃないけど、みんな使わないからさ。 あれは階段を登りたくないんだろうね。 誰も使ってないから、俺の為に国が作ったことになる。 で、「もうみんな使っていいよ、俺はもうこれをほっとく」っていう気持ちで歩道橋から去れるっていう。 それだけでも楽しいよ。 みんなね、お金が手元に来ないと儲かった感じがしないし、それを使った時にお金を使ったっていうんでしょ? いやいやいや、お金がなくてもそう思えるから。 幸せを得られるヒントがありそうな気がします。 所ジョージ:いや、ほんとにそうですよ。 お金がなければ楽しくないっていうのはだいたい皆さん思っていることで、確かにそれもあるんだろうけど、価値観というのは自分のいる状況次第だからね。 いつどこ行っても同じ価値観で暮らしてるから、皆さん不幸になっちゃう。 例えばね、アラブに行ってぽっつりひとりになっちゃった時に「あ、水が飲みたい」となったら、水がいちばんの価値観になるわけじゃないですか。 所ジョージ:お金があったって砂漠じゃ使えないし。 社会があってお金が動いているんだから、社会を乱してお金を儲けてどうするんだっていう。 社会がなかったらお金に意味はないんだから、社会を乱す行為はお金の価値観をなくすことだよね。 どこ行っても同じ価値観なんで、みんな不幸になっていっちゃうんじゃないかなと思う。 僕なんかは朝起きた時からずっと幸せですよ。 レーベルビジネスなのに、なんでそのビジネスをちゃんとやらないんだってことでしょ? みんなで企画会議して「これはやっぱり2400円だ、いくら安くても…」とかね。 それはしないほうが面白いってこと。 700円って、これでも考えたんだよ。 はじめ500円って言ってたんだもん。 「ダメだよ、送料とかあるんだから」とか、いろいろ考えてじゃあ700円だなと。 「ありゃ、56円もつくのか、半端だなぁ」って。 所ジョージ:で、その56円がね、国の方が僕より利益があるってのが、これまた面白い(笑)。 それでいいのか?っていう。 それでいいんでしょうか。 どうなんですかね。 いいはずないですよね。 所ジョージ:だから思うんですよね。 八百屋さんがたくさん買ってもらった時に「きゅうり2本、おまけだよ」ってあるでしょ?この700円のCDなんて、もうおまけのようなものですよ。 そのおまけに消費税つけんなよって思うね。 所ジョージ:そう、全体の値段に消費税つけるんじゃねえよっていう、ヒドいよね。 ヒドい(笑)。 大人なんだからわかるだろっていう(笑)。 利益につけろよとか思う、ほんとに。 利益の半分を持っていかれるんだったら、もうそれでもいいですよ。 ほんとに、面白いわ。 所ジョージ:だから面白いじゃないの(笑)。 続く 取材・文・撮影:BARKS編集長 烏丸哲也.

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「情熱大陸」所ジョージ回「根っからのテレビマン」が家族の前で素を見せた瞬間をご報告(エキサイトレビュー)バックナンバーはこちらから所ジョージの朝…|dメニューニュース(NTTドコモ)

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yahoo. yamaです。 最近、新型コロナウイルスでの自粛期間で、生活ががらりと変わっていますよね。 その変化に、ストレスを感じている人も少なくないはず。 今回、カンブリア宮殿に所ジョージさんが出演。 こんなご時世でも、何にも変わっていないと言っていた所ジョージさん。 何も変わらないということは、必要最低限で生活をしているってこと? でも、毎日楽しそうな所ジョージさん。 シンプルな生活の中で、どんな風に楽しんでいるのだろう?とふと疑問に。 最近になって、シンプルライフを心掛けている私は、 所ジョージさんの生活にヒントがあるような気がし、今回調査してみました。 是非皆さんも参考にしていただけたらと思います。 スポンサードリンク もくじ• 面白がる所ジョージさんの生活 充実してなかったら生きてる意味ないじゃん。 でも、趣味がなかったら、不満を固めたまま死に向かっているかというと、そうじゃない。 どっかで面白いことがあって、一所懸命生きているんだと思いますよ、オレは。 gqjapan. 「楽しいことを楽しいからやる」そんなことをベースに生活しているようです。 調べてみると、車にバイク、ゴルフ・モデルガンや模型まで本当に多趣味。 多趣味だけれども、趣味があるから楽しいっていうわけではないんですね。 つまんない人は、たくさん趣味やっていたって、つまんない。 面白がれる人は他人から「趣味ないね」といわれても楽しい。 そう、所ジョージさんの生き方は、「面白がること」だったんです。 毎日不満だらけの生活の中で青い鳥症候群みたいな人達は結構いますよね。 実は、わたしも、そういう時期を過ごした時期があります。 最近はもう脱却してますけど 笑 実は、 刺激がなくても、毎日代り映えのしない毎日の中にでさえ、面白ろがることは出来るということに、あらためて所さんのインタビューを読んでいると、気づくことができました。 お金をかけないライフ おそらく所ジョージさんはお金に困らないほど資産あるから、 面白がれるんじゃないか? ちょっとだけそう思っていました。 でも、そうではなかったんです。 例えばバス釣りが流行ったら、ルアーとかバスボートとかにみんな凝ったりするけど、全然興味ない。 バス釣りやるんだったら、竹の竿と生き餌と、玉ウキかなんか買ってきて、山中湖とかに漁船の1隻も浮かべて、大漁旗かなんかなびかせて、それでやりたい。 みんなと並んで同じことやっても、しょうがない。 最適な道具をそろえて、大きい魚を釣るよりも、 自分で考えた道具で小さな魚をとっても楽しい。 皆の一般的な価値に置くのではなく、自分の面白さに価値を置く、 そんな大人の遊びのようにも感じます。 そういえば、釣れない状況下で5時間も6時間も粘って釣る、 一匹の魚に喜びを感じると言っていた友達がいました。 とても幸せそうでした。 軽やかシンプルライフ 所は「私は何にも変わらないよ。 こうなる前から朝早く起きて日の出見てたりする。 人がいないから早起きしてるんだもん」と普段からあまり人と接触しない生活ぶりを披露。 日の出見るのをお勧めしていました。 この時期の日の出は、5時ちょっと前。 4時半くらいにお茶を用意してゆったりしているそうです。 確かに、日の出を見ることってなかなかにですよね。 田舎にいたときは、海の水平線から上がる太陽を見ることが心地よかったことを、思い出しました。 明日は早起きしてみようかな。 まとめ いかがでしたでしょうか。 今回、所ジョージさんの生活ぶりを調査してみたら、 どこに価値を置くのか。 何処まで面白がれるか、 そんなことを問われているような所ジョージさんの生き方が見えてきました。 是非、参考にしていただけたらと思います。 今回も最後まで読んでくださり、 有難うございました。

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【インタビュー】全力の自由人・所ジョージの奇天烈人生訓『JAM CRACKER』Vol.1/4

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新入社員向けにアドバイスをお願いします。 「理想の上司」って言われても、自分ではなんかピンとこない。 「所ジョージ」って字面も簡単だし、聞かれた時にパッと出やすいだけなんじゃない? たとえばお笑いの世界だと、さんちゃん(明石家さんま)の下に誰それがいて、中堅がいて、若手がいて... ってわかりやすいじゃん。 でもウチの事務所はそういうこともないし。 そもそも人に何かを教えようとか、それは違うよって否定するつもりがないの。 ある人が困っていたとするじゃん。 困っているのもその人の人生だから。 そこでいいアドバイスをしちゃうと、人生の邪魔してるような感じもするのね。 アドバイスでその人が解放されたとして、そんな簡単に解放されちゃうと人はつまんないから。 自分で考えるのが一番楽しいわけで。 人の話を聞いて、「こうするといいよ」って段取り通りにいくと、あんまり手応えを感じない。 何も聞いてないのに、そこまでいけた自分の方が立派でしょ。 その方が感動できるよ。 人の言うことを聞いてなくて、失敗したとするじゃん。 聞いとけばうまくいくのに。 だけど失敗も捨てない、なかったことにしない。 怒られたことを削除しないっていうこと。 それも自分の経験だから。 一生懸命やったのにできなかったら、「じゃあ、お前じゃない方がいいな」って他の人に代えられちゃうでしょ。 「ちょっと怠けてました」って言う方がまだいいよね。 その場で怒られても「次はちゃんとやれよ」でもう1回復活できる。 だから、自分の「底」は見せない方がいい。 腐る人には誰も見向きもしないよ。 ペンキ塗りを頼まれた子どもがニコニコしながらやっていたら、「楽しそうだから俺にもやらせて」って友達がやってくれる話があるでしょ(『トム・ソーヤーの冒険』のエピソード)。 コピー取りでも何でも、ハツラツとやる。 そうすると、上司の目に留まって「アイツは頑張ってるな」って次の部署に引っ張られるキッカケになるかもしれない。 みんな目の前の仕事が木の幹だと思っちゃうんだよね。 「いい大学出て、会社に入ったのに、何でこんな仕事なんだよ」って変なプライドが出てきちゃう。 だけど、細い枝みたいなところで「これは俺の幹じゃない」って言ってもしょうがないよ。 ハツラツとやっていれば、幹以上の太い枝が出てくる。 「この仕事は合ってるな」って思うところを幹にしちゃえばいいわけで。 挫折をよけるのは簡単なの。 いい茶碗を使ってたけど、ひび割れて使えなくなっちゃった。 茶碗ランキングでは相当下がっちゃう。 でも下に穴ボコ開けて植木鉢にしたら、トップクラスの鉢になるかもしれない。 「トップの植木鉢になってやる!」って考えたら、ハツラツとできるじゃん。 俺は「苦節5秒」って言ってるんだけど、時間が経つと全部のことが笑い話になるから。 時には、自分で自分に目をつぶるってことも大事。 ごまかしたっていいのよ。 「俺はこんな器じゃない」なんて言い出すなってこと。 歌手としてデビューしたのに... 複雑な思いはなかったのでしょうか。 20代で歌手デビューして、30代ぐらいまでは「何で売れないんだよ」って思ってたよ。 だってそっちを目指してたんだから。 最初のうちは逆ギレだよね。 「どうせ聴かねえんだろ、お前ら!」って。 そこで音楽を辞めちゃって、司会業としてニコニコ暮らす方向にも行けたわけ。 でも40年もやっていると楽しくなってきちゃって。 聴かれない歌をどんどんつくる、みたいな。 おかげさまで60過ぎていまだに歌をつくってる。 どこからか面白くなってくるのよ。 だからみんなも、途中で「俺には向いてない」とか「つまんない」とかジャッジしないで、やり始めたことはずっと続けた方がいい。 人生は長いんだから。 役者さんで売れなくても、会社員になって全部辞めちゃうんじゃなくて、ちょっと匂いのするところにいる。 「もう辞めたよ」ってウソついて、内緒でやればいいと思うんだ。 バッグに入ったスプーン。 「誰かが『スプーンがあればなあ』って時に、『あるよ』って出したいの。 あとは消毒薬とか絆創膏とか。 音楽評論家の萩原健太さんは、所さんのことを「日本で一番過小評価されているシンガーソングライター」と評していました。 それでいいの。 過小評価に値するってところがすごく大事なんだな。 ここ最近だけで20曲ぐらいあげてる。 「またあがってる! この人、限界がないんだな」って呆れさせたいんだよ。 広告も入れてないの。 こんなんでお金もらうなんて、俺も良心があるからさ。 YouTubeはゲーム。 バカみたいに歌つくって、あげるのが面白くてしょうがない。 野球選手のイチローってスゴイじゃん。 「一郎」にしておけば、釣られて来る人がいるんじゃないかなって。 動画を見てても、自分で自分に笑っちゃうの。 俺が一番見てる回数が多いと思うよ。 この曲なんて、800回再生のうち600回は俺が見てるね。 誰に手伝ってもらうわけでもなく、自分で作業して、リズムを変えたりして。 そんな自分が超カッコイイわけ。 こんなんでレコード大賞取りたいんだよ。 直木賞でもいいからさ。 大人数のオーケストラがいて、誰もが立派に見えるような曲で賞もらったって当たり前でしょ。 自分だけのもので評価されたいっていうのがすごく強いよね。 芸能界、歌謡界っていうでっかい山があって、そっちでは福山雅治が桜のことを歌ってる。 だけど、俺は梅を歌いたいの。 誰も相手にしない梅。 梅干しなんかできちゃってさ。 『桜より梅を歌え』なんてすごく庶民的な、実質的な歌になってくわけよ。 そっちの方が面白いやって。 ちっちゃい山をつくりたいわけ。 世間では所さんこそ芸能界のど真ん中だ、と思っている人も多い気がしますが。 芸能界はあっちの山。 たまに行って、5合目ぐらいまでは登るのよ。 で、おみやげ売り場でおみやげ買って、リラックスして車で帰ってくるぐらいの感じ。 そこの高みは、さんちゃんに任せておけばいいの。 俺は山頂まで行かない。 おみやげ物もあんまりないし、行くのはつらいから。 「騒がしく面白いことを言う人」ってみなさん思ってるでしょ? さんちゃんが面白いのは、瞬発力がすごくあるの。 後輩の面倒見もすごく良くて、「お笑いとは」っていう考え方がしっかりしてる。 そこを俺に言われると、照れるんじゃない、きっと。 そうやって照れちゃうところも好きだし。 あの人はルールが全部ある。 「こう言って、こう言ったら、こうなる」っていうキャッチボールのルール。 お笑いの本とか書くんだったら、そっちの方が正しい。 俺は物事が起きなきゃわからない、というところでやってるので、感覚は全然違うんですよ。 ただ一緒にいると、瞬発力がすごいね。 いまはもう、カミさんのミシン部屋にしちゃった(笑) さんちゃんが年とって、一人で行くところがなくなったらここに住めばいいじゃない、っていう話をしていたんだけど、いまもハツラツとやってるからね。 来る、来る。 北野さんは底抜けですごく面白いんですよ。 さんちゃんと北野さんの二人に言えるのは、どんな素材を渡しても大丈夫ってこと。 木魚だろうが、釣鐘だろうが、すごい笑いをつくっちゃう。 死体を持っていっても笑いをとるよ。 「体温下がってまんな」とかなんとか言いそうじゃん。 かたやタモリさんは、自分のなかから出てくるもので上手いことやる感じ。 そこが二人とは違うね。 ゲストが出てきても丁寧じゃん。 暴言言ったり、つついたりしないでしょ。 「フィクションスクープマガジン」と銘打って、「銀座名物、流しの立小便屋」とか「謎の巨人が本栖湖で入水自殺!」とか、メチャクチャやってる。 『FAMOSO』はね、もっと評価されたかった。 そんなんじゃダメよ。 5千万部ぐらい売らないと。 国が買い上げてくれればなあ。 あの雑誌は、毎週土日にここ(世田谷ベース)に北野さんが来て、一緒につくってたわけ。 「こういうのやろうぜ」って世間話して、そこからつくり話を考えて。 衣装を集めて、撮影して、写真をコラージュして... っていうのを繰り返すの。 人に頼むと思い通りのデザインにならないから、全部自分でやって。 3、4冊出したら、俺はもう限界だったね。 北野さんは「またやろうよ」なんて言ってるけど、いやいや。 アンタはいいけど、俺は大変なんだよって。 でもお陰様で、いまだに俺が一番楽しめるの。 こんなことやった、あんなことやったなあって。 湖に巨人のでっかい靴を置いてみたり、畑でモアイ像発見!みたいな写真を撮ったり。 朝方、犬の散歩してるおじさんに「ご苦労様です」なんて言われながらさ。 お地蔵さんに間違われて、モアイの前に果物置かれちゃったりして。 もう、おかしくて、おかしくて。 ならない。 面白いもん。 早起きしたら早起きしたで、この空気感、小学校の夏休みのラジオ体操思い出すなあ、とかさ。 すごく楽しいよ。 たとえばの話、体にいいって聞いたものを並んで手に入れたとする。 人より先に手に入れて、サプリメント飲みながら仕事する、みたいな。 でもそれって不健全じゃん。 「健康」より前に「健全」を考えないと。 トースターで焼いたパンをそのままかじって家を出るんじゃなくて、皿を置いて、紅茶を淹れて、バナナを添えて。 ゆっくりした雰囲気のなかで食べるってことが健全なの。 面倒くさいけど、皿を洗うとか、雑巾を絞るとか、そういう刺激が大事。 冷たい水は触らない、いいところだけを口に入れる、っていうのは健全でも健康でもないと俺は思うのね。 昨日と同じことの繰り返しはつまらない。 「何も起きなくて平凡だ」なんて言ってたらダメ。 生きてる意味ないぜ。 昨日より今日、今日より明日が充実してなきゃ。 充実っていうのは、何でもいいのよ。 「朝、クツをはいた時に指も使わずかかとがサッと入ったぜ」とか。 それだけで満足なんだ。 前の日の俺、ちょうどいいところに脱げてたんだなって。 会社がつまらないと言うけど、実は自分がつまらないだけってこともある。 そんな時は、会社へ行くまでのアプローチを変えてみる。 最寄駅を使わないで、わざと遠回りしたりさ。 そうすると違う発見があるわけ。 「こんなところに素敵なお店があるんだ」とかね。 綺麗な女子との出会いもあるかもしれないし。 会社に面白みを求めずに、いっそ行き帰りを楽しんじゃう。 会社は休むところでいいんだよ。 バカな発想だけど、会社を中継所感でやってるヤツはいつも笑顔でいられるじゃん。 「楽しそうだな、お前は」って上司にも引っ張られるよ。 不便じゃないの。 楽しいんだもん。 やっつけで進むと、やっつけで終わっちゃう。 余計なことに対してエネルギーを使う方が豊かになれる。 合理的になると全部つまんなくなっちゃうよね。 横断歩道を渡らずに、誰も使ってない歩道橋をダラダラ登る方が豊か。 山登りに行ってる場合じゃないよ。 まず目の前の歩道橋を登ろうぜ。 収録現場でカンペを見ないというのは本当ですか。 カンペは見ないし、見ても自分の感情に全部置き換える。 初回は手探りだから作家の方の書いた順番でやるけど、2回目以降は時間の尺とかも自分でわかるじゃない。 感じたものを発表したいだけで、別に「読む係」じゃないから。 引き金はもらうけど、弾となって飛んでいくのは俺なんで。 いま『所さん お届けモノです!』(TBS系)っていう番組をやってるんだけど、もう楽しいですよ。 スタッフが全国のいろんなおみやげを探してきたり、メーカーの展示会を紹介したり。 日曜日の夕方5時からっていう時間帯もいい感じなの。 『笑点』に向けたならし運転みたいな。 魅惑の時間帯だよね。 面白いよね。 有名観光地の隣は、置いてけぼり食らってあわててる感があって。 一番人気の温泉地は連休も予約でいっぱいなのに、隣っていうだけでガラガラ。 だったら、こっちに行ってみてもいいんじゃない?っていう。 その町の人は紹介してほしいし、褒めてほしい。 俺も乗ってあげたいところだけど、そこまで熱くならないようにはしてる。 消費者として見て、足りないところがあれば言うし。 意外と厳しいですよ。 努力している人たちの熱量は褒めるけど、進化する余地がある場合には、「こうした方がいいんじゃない?」とハッキリ言うから。 「お届けモノ」に限らず、レギュラーの人でも、ゲストの人でも、仕事の手応えみたいなものを感じないで帰ってほしいのね。 「え、こんなんでいいの?」ぐらいで。 「笑ってください」「この情報に驚いてください」っていう感じが画面から伝わってくると、俺は茶の間の人として、うるせえなって思っちゃう。 だから手応えないぐらいがいいの。 編集の仕方でいうと、お客さんが笑ったところだけ流すと、ヤラセの笑いにみたいにしか聞こえなくなるんだよ。 本当はつまんないところも含めてプロセスがあるのにさ。 恋愛だってそうじゃん。 いろんなプロセスがあってカップルになるわけでしょ。 そこをカットして、「なんだかんだうまくいきました」じゃ、おとぎ話にもならないもん。 50代には思うんだよ。 60になったら辞めようって。 で、60になったら70で辞めよう、70になったら80で、80になったら90で... ってやってくと、死ぬな、もうそろそろ。 そういうことだよ(笑) 振り返ると、10代で青春だなんだ言ってたあのころから何ら変わらない。 何にも進歩してない。 俺のやってることなんて、失敗って言えば全部失敗だし、成功って言ったら全部成功だもん。 自分が成功だと思えば、全部成功だよね。 まとめると、リセットしないってことじゃないですか。 紙を丸めて、クシャクシャ、ポイって捨てないってこと。 失敗も含めて人生でしょ。 「いい文章」だけの人生を送りたくて、みんなクシャクシャ捨てちゃう。 でもそしたら、捨てたことをずっと内緒にして死んでいかなきゃいけないじゃん。 見切らずに続けないと、意味は出てこない。 「意味がないからやらない」じゃなくて、「やらないから意味がない」ってことなんだよね。

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