彼方 の アストラ。 マンガ大賞を制した『彼方のアストラ』の再読必至な超・構成力とは?匠の構成を徹底解説!

【ネタバレあり】『彼方のアストラ』全巻を読んだ感想。刺客の正体とは?疑問点を徹底考察!散りばめられた伏線回収が鮮やか!

彼方 の アストラ

どうも!です。 正直、2巻くらいまでは 「なんだこの宇宙旅行マンガ…これがマンガ大賞受賞作品かよ」とか思ってたんですけど、3巻辺りからはページを捲る手が止まらなかった。 とくに伏線回収やミステリーの部分が秀悦してました😌 表紙を見てSFマンガだと敬遠している人にも是非読んでほしい。 ちなみに全5巻完結済みなので1日で読めるところもオススメ。 それではそんな『彼方のアストラ』のネタバレ感想と残る疑問点などを考察していきますー! (感想・考察だけ読みたい方は目次から飛んでね!) 登場人物を紹介する 個人的な解説付きで、気になった登場人物を紹介していく。 カナタ・ホシジマ キャプテンに立候補。 その行動力からアストラ号でのキャプテンとして認められるようになる。 将来の夢は宇宙探検家。 過去に山で遭難したことがあり信頼していた教師を亡くす。 この経験もあってサバイバルに対する知識がある。 体も鍛えていて、いい筋肉を持っている。 アリエス・スプリング ど天然なヒロイン。 オッドアイ。 一度見たものを忘れない映像記憶能力を持っている。 キトリー・ラファエリ 褐色の美少女。 ツンデレ。 家が病院で母親が医師であるため、本人も医師を目指し医学を専攻している。 ザックとは幼馴染。 スケットダンスのスイッチに似てると思ったのは私だけではないはず🤔 ルカ・エスポジト 可愛い顔に似合わず一人称はオイラ。 手先が器用。 「子供が嫌い」だとフニの同乗には批判的だったにも関わらず、わりと初期からフニと打ち解けていた。 実は男でも女でもないIS(医学的に男女の区別がつかない状態)である。 シャルス・ラクロワ イケメン。 生物に関する知識が豊富で、食料調達の際には大いに活躍した。 5巻での彼のメイン回は名シーンすぎて永久保存。 ユンファ・ルー 長身の黒髪で眼鏡の女子。 母親はルーシー・ラムという有名な歌手。 引っ込み思案な性格。 アストラ号で自分が役に立てていないという劣等感を抱いていたが、得意の歌で娯楽のない宇宙生活を和ませ、存在意義を見つけた。 以後、メガネを外して(実は伊達眼鏡)髪を切りイメチェンをする。 案の定イメチェン後はめちゃくちゃ可愛い。 ウルガー・ツヴァイク 3巻までは他のメンバーと関わろうとせず非常に尖っていたが、ルカと一悶着あり、カナタに救われすっかり丸くなる。 漫画『彼方のアストラ』感想・考察 いやー。 面白かった。 大大大大満足でした。 完結済みの作品を一気に読んだこともこの満足度に繋がるんでしょうけど、単行本5巻にここまでの壮大なストーリーを詰めこめるのがスゴイ。 これは評価が高いわけだわ……スケットダンスを間違いなく越してる。 未読の方はネタバレご注意ください。 一部核心にも迫ります。 ただのSF漫画ではない。 ミステリ漫画として楽しめる SF漫画が苦手な人にも是非読んで欲しい漫画だった。 表紙だけ見ると【ザ・SF漫画】である本作ですが、ミステリーの部分が秀逸していた🤔 実はわたしもSF漫画は好きな部類ではない。 冒頭でも書きましたが、序盤は「これがマンガ大賞受賞作品か〜」と言った感じの漫画でした。 それが3巻あたりから一気に面白くなった。 伏線回収にあたる4巻と5巻では、 衝撃的な真相に鳥肌が立ちました。 物語を簡単にストーリーを説明すると 高校生のカナタ、アリエス、キトリー、ザック、ルカ、シャルス、ユンファ、ウルガーの8名と、キトリーの義理の妹・フニシア(10歳)の9人は、学校の行事で惑星キャンプに出かける。 しかし、キャンプ先の惑星で、光の球体に襲われ、宇宙空間へと飛ばされてしまうーーー。 飛ばされた宇宙空間で運よく無人船を見つけた9人は、5012光年の距離を、力を合わせて帰ることを決める。 こんな感じで、2巻までは9人が力を合わせてサバイバル生活を繰り広げる様子が描かれているんだけど、3巻以降は 9人が集められた理由や 9人の中に潜む【刺客】の正体などが明らかとなり、 ミステリー好きにはたまらない展開となります。 9人の出世の秘密、刺客の正体、アストラに隠された秘密をネタバレ ここで感想と考察をしていく上で核心となるネタバレを書いておく。 アストラ号に乗るB5班9人が消される理由とは? 旅の途中でカナタたちは、フニが児童養護施設で「B5に入れて一斉処分」という会話を聞いていたことを知る。 このことから B5班には消される必要のあるメンバーが集められたのではないかとカナタたちは推測する。 ここまでが3巻までのカナタの推理だが、4巻でポリ姉が登場したことをキッカケに一気に物語は進む・・・。 わたしは親から愛されていなかったメンバーが多数いたことから【 子どもを愛せない親たちが、子どもを処分するためにB5に入れて一斉処分するのかな?】と、安易に予想していた。 が、 そんなありふれた話ではなかった。 B5班の9人は、 全員クローン ザックの父親は記憶の移植という研究をしていた。 Aの記憶を丸ごとBに移植すると、 肉体はBのまま人格はAになる。 つまり体の乗り換えが可能となる。 しかしこの体の乗り換えは、 同じ遺伝子情報を持つ体同士のみ可能。 双子の片方に記憶移植をする人間なんているはずもなく、ザックの父による大発明は現実的に使い道がないという結論に至った。 だが、移植目的のクローンを作ったらどうだろう? 老いた体を捨てて、若いクローンの身体に乗り換えることが出来る。 持って生まれた才能はそのままに・・・。 親たちの目的は若返りだった。 老いた身体を捨てて若返るためクローンを産み、乗り換えの適正年齢になるまで育てていた。 そのためB 5班のメンバーたちは親から十分な愛情を注がれていなかったのだ。 そんな中、ゲノム管理法というDNAを管理する新たな法律が設立された。 DNAを採取されれば子どもたちがクローンだとバレてしまう! 人間のクローンを作ることは投獄レベルの重罪。 親たちは子どもたちのDNAが採取される前に、事故に見せかけて9人の子ども(クローン)たちを処分しようとした。 これが9人が集められた理由だった。 この事実は衝撃的だった。 親との確執なり家庭環境なりをそれぞれが抱えてるだけなのかと思いきや、まさかの全員クローンですよ。 3巻で登場した親たちを見る限りロクな親たちじゃないな〜と思ってましたが、ここまでとは。 自らの出世の事実を明かされた彼らの気持ちは想像しただけでやるせない。 「家族には無条件の愛情があって わたしは愛してたし 愛されたかった」というキトリーの台詞で一緒に泣いた読者も多いのではないだろうか・・・。 そんな中でのカナタの 「オレ達が家族だ!!!」にはグッときた。 これはルカじゃないけど「やっぱかっこいいや」てなりますわ。 刺客の正体とアリエスの正体。 クローン問題が衝撃的すぎて刺客の問題を忘れていたが、刺客問題も残っている。 ここまで一緒に旅をしてきた仲間の中に裏切り者がいるとは思いたくなかったが、刺客にも刺客なりの事情があった・・。 アストラ号の通信機が壊し謎の球体を出現させていた 【刺客】は シャルスだった。 シャルスはヴィクシア王政地区の 王のクローン。 生まれた時から自分がクローンだと知っていた。 小さい頃から「王の肉体になることが使命」「王の所有物であり人ではない」「健康な身体を保つことだけを考えろ」と言い聞かされて育った。 そしてゲノム管理法の成立で、王からクローンの処分が決まったと告げられ、刺客となる命令を受ける。 途中で球体を引っ込めたのは、アリエスを巻き込まないためだった。 アリエスはヴィクシア王政地区の王の一人娘・ 王女・セイラのクローンだった。 セイラはクローンを作ることには反対だった。 だが、王はセイラに内緒でクローンを作っていた。 それがアリエスだ。 勝手にクローンを作られたセイラは、 クローンを代理出産したエマと幼いアリエスを王政地区から逃した。 その時に逃げたクローンがアリエスだと気づいたシャルスは、彼女を連れ帰って王に会わせようとしたのだ。 ということで刺客はシャルスで、 アリエスは王女・セイラのクローンだった。 わたしは読み進めていくうちで刺客は、シャルス、ウルガー、アリエスの誰かだと思ってたました。 最後までミスリードはありましたが(ウルガーが刺客発言とかな)、やはり1番怪しかったシャルスが刺客・・・。 それでもここまでの展開は予想はしていなくて鳥肌がたった・・・。 ぶっちゃけアリエスが無意識のうちに色々やっちゃってるパターンかと思ってました🤮 シャルスの生い立ちは壮絶すぎた。 【自分が何者なのか考え続け 後悔に苛まれ 自分に価値はないと思い知らされた】 というモロローグは、読んでいるだけで辛かった。 さらに涙腺崩壊シーンは続く。 シャルスの生い立ちを聞いた仲間たちは、 「生まれや育ちは選択したものではない これから変わればいい」 「一緒に帰ろう」と声をかける。 しかし 「もうどうしようもないんだ」と絶望した表情のシャルス。 そしてシャルスは気球で自殺を図ろうとする。 ここですかさず運動神経抜群のカナタさんが気球を反重力シューズで飛び越えシャルスを力づくで取り押さえる! しかし、どんどん迫ってくる気球。 カナタは右腕を宇宙空間へ持っていかれてしまい、シャルスは我に帰り気球をしまうーーーー。 カナタが右腕を失ってまで自分を救おうとしてくれたことでシャルスは 「みんなのおかげで僕は自分になれた ボクはオリジナルとして生きたい みんなと一緒に帰りたい」と、王からの洗脳から抜け出す。 もう本当に泣いた。 最高潮に泣いた。 カナタさん。 やっぱかっこいいや・・・。 腕を失ってでもシャルスを止めたのもカッコよかったけど、 その後の 「お前…アストラに帰ったら責任取れよ ずっとオレのそばで手伝うんだ 前に約束したよな お前はオレの右腕だ」ってカッコよすぎでしょ😭😭😭 責任感じてるシャルスに 「オレはお前を恨んでねえ オレが選択して行動した結果だ あの時お前が球体を解除しなければオレは死んでた礼を言うぜ」という言葉かけるところもカッコよすぎる。 人の気持ちを推し量る力があって行動力もあって運動神経もよくて筋肉もある!これってもう最強じゃん。 カッコよすぎる。 (まあでも推しはウルガー。 そこは譲れん) 「アストラ」と「地球」似て非なる母星。 4巻ラストで明かされた カナタたちが帰ろうとしている星が「地球」でないという事実。 このシーンはゾッとした。 鳥肌が止まらなかった・・・。 4巻から登場したポリ姉。 彼女の母星は 「地球」。 しかし、B5班が帰ろうとしているのは 「アストラ」でした。 確かにカナタ達は、1度も「地球に帰る」とは言っていなかった🤔 カナタ達の母星アストラ カナタ達の知っている 「アストラ」についての歴史は、かなり大雑把だった。 学校では「過去を振り返るより未来に目を向けましょう」と習ったらしい・・。 しかし学校では大雑把に旧時代の国の歴史を習ったようで、アリエスが国の位置を把握していた。 地球と大体の位置関係はあっている・・・・。 「地球」と「アストラ」の歴史は、ある地点で分岐していた。 キューバ危機の時。 惑星アストラでは、第三次世界大戦が起こっていた。 (この時点ではパラレルワールド疑いました) 人類は1962年にアメリカとソビエトが開戦し、世界は焼け野原になる。 人口は半分まで減少し、人類は自らの愚かな行為を悔い、恥じて平和な世界を作り変えることを誓った。 そして国という領域は廃止になり、言語と法律は一つに統一され、悲願である銃の撤去をも果たした。 そして今年、世界統一から100年を迎えるーーーー。 これがB5班のみんなの母星「アストラ」の歴史。 宗教の存在がないらしい。 「地球」に何が起こったのか? そしてポリ姉の母星「地球」の歴史が明らかにされる。 ポリ姉の母星「地球」は、キューバ危機で戦争に突入しない私たち(読者)と同じ世界である。 地球では2049年にある発見があった。 8年後の2057年に巨大隕石が突撃するという計算結果が出たのだ。 そこで地球人達は、地球を丸ごと他の惑星に移住することを考えた。 架空の理論で発見も実証もされていないはずなのだが、地球では人工ワールホームが開発されていたようだ。 ポリ姉達が宇宙を探索していたのは、移住先の惑星を探すためだった。 ポリ姉はスリープに入ったため、移住が完了したのかは知らないが、カナタ達の住む「アストラ」と「地球」の歴史が似て非なることから、移住は完了しているのではないかと考える。 だが、矛盾が残る。 カナタ達の住む世界は2063年だ。 隕石衝突から6年しか経っていない・・・。 真実は、のちに刺客がバレたシャルスの口から明らかにされた。 秘密を知るのは世界政府の要人数名とヴィクシアの王のみ。 シャルスは記憶移植が部分的にうまくいかなった時の保険としてその秘密を教えられていた。 隕石突撃に備えて惑星アストラに移住を決めた地球人たち。 そんな中、地球で移住計画が全世界に発表された。 人々は混乱し、移住先での領地の奪い合いの戦争を全世界が始めた。 2052年からたった2ヶ月で全人類の半数が失われた。 これを公表してしまったのが間違いだった。 一瞬で別の場所でいけるのでテロも暗殺もやり放題である・・・。 各所で小型品が作られた。 そして人類は大規模な引越しで人類をリセットすることにした。 4年間をかけて人類の大移動が実行され、移住が完了したのが2057年。 小惑星は予想通り地球に衝突した。 しかしそうすれば移住の説明がつかなくなる・・。 つまりカナタ達は2163年を生きていることになる。 ちなみにポリ姉は12年ではなく、112年眠っていたw と、地球とアストラに関わる真実はこんな感じだったのだが、私が移住した人類の一員だったら絶対黙ってられそうにいない。 「わしの若い頃わな〜」とか語る自信しかない。 つまり移住した人類の皆さん・・・ すごい口が硬かったんですね。 「平和になるために歴史は捏造」っていう考え方は理解できるんだけど、「平和を目指すために、ありのままの歴史を残したい」っていう考えも絶対あると思う🙄 描かれていないだけで、そういう反対派は抹殺されたんじゃないかなあ😩 真実を知ったウルガーのお兄ちゃんも殺されちゃったもんね。 何が1番思い出に残ってますか? ここで私が1番泣いたシーンを紹介しておく。 遭難から146日。 惑星アストラに着陸する直前、全員で1番思い出に残ったことを言い合うシーン。 ザック 「オレは船が落下した時だな あれはやばかった」 キトリー 「アタシはイクルスで船が動かなくなった時かな さすがにもうダメかと思ったわよ」 ユンファ 「私はシャムーアでみんなが倒れて歌った時ね」 ポリ姉 「私は目的地が地球じゃないと知った時」 ルカ 「オイラは銃突きつけられながら裸見られたことすね」 ウルガー 「オレは 大将の腕に助けられた時だ」 アリエス 「私もカナタさんの腕に助けられた時です」 フニ 「フニもー!カナタの腕に抱えられてピューって!」 シャルス 「ボクも その腕に助けられた時だ」 こんなん絶対泣くでしょ。 特にウルガーからの4連チャンでの 「カナタの腕に助けられた」はやばかった。 思い返せばピンチの時はいつもカナタさんに助けられてたな〜😭😭😭😭 アトラス号の一員じゃないのにわたしも一緒に旅をしてきたような感覚で・・・・ほんと泣いた😌 残る疑問点と違和感 5巻までに簡潔にまとめられている傑作漫画である本作ですが、謎のまま終わった部分もありました。 まず、 ウルガーの兄・フィンが死んだ(おそらく暗殺された)理由。 フィンは生前、ウルガーに 「大人達にだまされるな」と言っていました。 このことから人類が地球から惑星アストラに移住してきた歴史を隠していることを突き止めたのかな…?と推測しているんですが、作品内でフィンが殺された理由は明らかにされませんでした。 ここは読者の読解力に任せるわ〜ってことなんでしょうか? あと、主人公のカナタのバックグラウンドはもう少し広げて欲しいかったな〜と思ってます🤔 カナタの過去は、遭難して死にかけて恩師を亡くしたと約2ページで説明されただけで、あまり掘り下げられていません。 5巻内にまとめるには省かないといけない部分だったのかもしれませんが、せめてウルガーとシャルスくらいのページ数は欲しかったかな🙄 次に、 クローンのオリジナル、つまりB5班の保護者たちが理解できない。 今ある人生は自分が積み重ねた結果であり、クローンに乗り替わったところでまた努力や経験を重ねなければならない・・・。 努力が大っ嫌いな私からしたら、ここまでめんどくさいことはない🤮 てか、さっさと死にたい。 カナタのオリジナルは怪我でアスリート人生を断たれたので、まだ気持ちは理解できるんですけど・・・(最低なことには変わりはないが)ユンファやキトリーのオリジナルはやり直す必要あるの?自分の人生まっとうして死ぬのが1番幸せだと思うんだけどなぁ🙄 ザックの所は研究結果を見たかったり、ルカのところは趣味が入ってたりと、共感はできませんが理解はできます🤔 1番意味わかんないのがシャルスのオリジナルの王様。 こいつ何なん? シャルスを人間として扱わない卑劣なカスでムカつくっていうのもあるけど、やってることが意味不明。 王になれるのは王の一族のみじゃないの? だったらシャルスを息子として育て、その時がきたら乗り移るのが自然かと・・・。 なのにわざわざ側近の息子として育てるってどういうこと? 乗り移ったところで王になれるの? 牢屋にぶち込むのも意味不明。 この時点ではゲノム法はまだないんだし、健康にいてもらわなきゃ乗り移れないだろうに・・・。 あと孤立してる王政地区でもゲノム検査されるの?ってのも疑問でした。

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【海外の反応】『彼方のアストラ』は最初から最後までずっと面白い?!

彼方 の アストラ

こんにちは!アラフォーのマンガタリライター、中山今です。 30代後半・・・家事に仕事に大忙しの毎日にも関わらず 再読がどうにも止まらないマンガに出会い、嬉しい悲鳴をあげております! そのマンガこそ 『彼方のアストラ』です!! 2019年マンガ大賞、このマンガがすごい!オトコ編第三位など華々しい受賞が続き、チェック中の方もいらっしゃると思います。 端的に言いまして、 『彼方のアストラ』は漫画賞受賞も納得の面白さ。 高品質のSFミステリであり、• 血沸き肉躍る冒険、• 宇宙船アクション、• アツい友情物語 と、オモシロ要素ががっつり盛り合わせなんです。 大好きです。 大好きです!(大切なので2回言った) しかし・・・その魅力的な各要素を差し置いて、私が『彼方のアストラ』に最高にシビれる部分ッ・・・ それが驚異の 「構成力の高さ」 です!! 私は『彼方のアストラ』を20回は読み返しており、そのたびに作品を貫く「 芸術品のような作りの巧さ」に感動します。 そこで今回は、 『彼方のアストラ』の構成力3つとジャンルの紹介、そして読んだ人の感想などを交え解説したいと思います!! 特に以下のには確実にヒットするハズ!• ミステリ好きな方• エンタメ作品の「作り」に感動するタイプの方• 伏線回収というワードに燃える方 思い当たる方、ぜひご覧ください!! なお構成力についての解説ですので、 内容のネタバレは含みません。 そのため• ミステリ好きで、『彼方のアストラ』の面白さをネタバレなしで知りたい方• 『彼方のアストラ』の面白さをネタバレなしで広めたい方 もぜひどうぞ!(広める目的の方はどうぞこのサイトを相手に転送してくださいッ) なお、同目的で「 ファンが似てるとネットでつぶやいた映画を観て感想を述べることで魅力を伝えたい」という記事もあります。 ネタバレなしに魅力を知りたい方はこちらもどうぞ! 目次• 1、『彼方のアストラ』ってどんな漫画? 彼方のアストラとは、少年ジャンプ+で連載していた「 SFミステリアドベンチャー」漫画です。 作者 篠原健太 掲載サイト 少年ジャンプ+ 出版社 集英社 発表期間 2016年5月9日 — 2017年12月30日 巻数 全5巻 受賞歴 このマンガがすごい!2019年オトコ編 3位 マンガ大賞2019年 大賞 マンガ大賞としては「 初のweb連載作品での受賞」という部分にも注目が集まりました。 なお、2019年中に アニメ放映も決定しています。 高校生(+小学生)の9人が、宇宙サバイバルを生き抜く! 彼方のアストラ 1巻より引用 ストーリーの舞台は 西暦2063年、誰もが気軽に宇宙旅行に行ける時代です。 登場キャラクターは同じ高校の生徒8人+小学生1人の9人。 観光惑星でキャンプをするため、宇宙船で母星から飛び立ちます。 しかし安全なはずのキャンプ地に、不穏な謎の球体が出現。 謎の球体に吸い込まれ、9人はなんと クラストスーツのみで宇宙空間に放り出されてしまいます! 宇宙服のみで宇宙空間に放り出されるという超アクシデント! 彼方のアストラ 1巻から引用 偶然近くを漂っていた無人の宇宙船に避難した9人でしたが、そこで絶望的な状況を知ることになります。 母星との距離は5012光年、日数にして3ヵ月。 通信機器破損のため救助要求は不可能、食料は5日分のみ。 正に絶対絶命! そんな状況下、9人が考えついたのは 食糧が取れそうな環境の星を転々と移動し、自給しながら母星へ帰ること! 母星へ帰る方法はたったひとつ、自給自足可能な惑星を転々として進むこと! 彼方のアストラ 1巻より引用 ティーンが力を合わせてサバイバルする 「十五少年漂流記」を彷彿とさせますが、SF世界が舞台のため 宇宙船・未知の惑星・未確認生物とワクワク度倍盛り! そして1話目からひそかに進行する、 「なぜこんな事態に?」「なぜ俺たちだった?」というミステリー。 冒険心を刺激されるスタートながら、メンバーの表情には少々不穏な空気も感じる・・・ 彼方のアストラ 1巻より引用 冒険心あふれるSFサバイバルと緻密なミステリで構成される、超良質エンターテインメント漫画です! 2、異ジャンルを組み合わせ、伏線をコントロールする。 『彼方のアストラ』の圧倒的構成力3つを解説! 構成力、とは物語の組み立て方のウマさのことです。 物語のアイディアはただ羅列するだけではなく、何と合わせるか?どこで出すか?などの組み立て方で、面白さがまったく違ってきます。 複数ジャンルをまとめる構成力• 脚本の構成力• ストーリーの構成力 それでは、この3つがどんなものなのか?シビれるほどってホントか?というところを、具体例を出しながら解説します! 大事なことなので再掲します。 こちらの記事では伏線が潜んでるコマを掲載しています。 初見では絶対に分からない伏線が隠されているのですが、 「見過ごしてから、振り返って、ええええここにも伏線張られてたの!!!???」 という読み方をしたい方はこちらの記事を読むのはお控えください。 2-1 異なるジャンルを融合させる構成力!「爽やか密室ミステリ」「10代惑星サバイバル」などの新ジャンルを作る巧みさに震える 『彼方のアストラ』は複数のジャンルをただプラスしただけでなく、各要素を素晴らしいバランス感覚で絡ませ、さらに面白くします! 『彼方のアストラ』は複数のジャンルを持つマンガ。 ・SF ・ミステリ ・アドベンチャー ・ジュブナイル(ティーンの友情物語) 各要素の面白さについては別項にて解説しますが、 どのジャンル単体をとってもクオリティの高い仕上がりです。 というわけで犯人特定はしない!明るい!! 彼方のアストラ 1巻から引用 また 『彼方のアストラ』のストーリーの骨子は、構成要素すべてが絡むからこそ成立します。 以下、ネタバレしないためにふわーーーーっとした書き方をさせていただきますが・・・• なぜ俺たちだったのか?• どうしてこうなったのか? という 謎(ミステリ)は、実は 生命の根幹を脅かす真実(SF)であることが明らかになります。 それは サバイバル(アドベンチャー) をして育った絆(ジュブナイル)があったからこそたどり着くことができるのです。 複数ジャンルを持っても、捨て要素なしで倍々で面白くする。 エンタメにうるさい大人も唸る、圧倒的構成力と言えます。 2-2 物語に引き込む脚本の構成力!良タイミングでストーリーを軽くし、伏線を自然に隠す「ギャグ」や「ラブコメ」が絶妙すぎる 『彼方のアストラ』の ギャグやラブコメはストーリーのメリハリと伏線隠しの両方のレベルが高く、気づけば物語に引き込まれています! 良い脚本の一例として、 ストーリーのアクセントである「クッション」要素がベストなタイミングで入っているということが挙げられます。 『彼方のアストラ』で言えば、 テンポ良好な「ギャグ」、 ほのぼの「ラブコメ」がシリアスなストーリーを軽やかにしてくれます。 初めて惑星に降り立つとき、巨大生物を見て大慌て。 ホントは危険なシーンながら、サクッと軽くて楽しいシーンに! 彼方のアストラ 1巻から引用 ただし、『彼方のアストラ』はミステリー。 「伏線隠し」としてのギャグやラブコメも当然あります。 しかし、その伏線隠しのナチュラル度が半端なく高いです!!! ほっぺが真っ赤なキュンキュン展開・・・実はストーリーの大元の謎の、最初の伏線なのですよ!?(誰が分かるんだッ!?) 彼方のアストラ 3巻から引用 クッションのタイミングが絶妙だからストーリーがダレないし、またそのクッションを使って伏線を仕込むから余計な説明も不要。 二重三重においしいギャグやラブコメ使いは、セリフ回しをコントロールする脚本の構成力が高いからこそ! 知らず知らず、スマートに物語に引き込まれていることに気づいたとき、その 脚本の構成力に鳥肌が立つはずです・・・! 2-3 二重伏線が張られるストーリー構成!伏線回収・・・「に仕掛けられた伏線」にだまされる快感ッ! 「わかってたのにスルーしてたああ!!」という、ミステリ好き冥利に尽きるシビれを体感できます! 『彼方のアストラ』では、 同じ伏線を2度回収することにより読者をハメてきます! 伏線の2度回収とは、例えば以下のような「伏線の使いまわし」のこと。 謎を匂わせる発言があり• 発言後スグ(数ページ~1巻以内)に「青春エピソードの秘密」として回収• しかし数巻後に「メインエピソードの秘密」として再度回収する このページ、実は先ほどの項でも出しました。 しかしこのシーン、ラブコメからのキャラクターの謎伏線・・・からの、メインエピソードの大いなる伏線のはじまり!再読しないとわからない! 彼方のアストラ 3巻から引用 このとき読者は、一度解決したエピソードをすっかり終わったものとして忘れてしまいます。 なぜなら 最初の決着も、友情ストーリーとして超満足なものだからです。 秘密は明かされ、友情が芽生える。 あたたかくステキな決着ですが、別な伏線はひそかに「活きて」います! 彼方のアストラ 3巻から引用 1エピソードの最初の決着は伏線隠しの「作業」ではなく、 それ自体とても爽やかで感動したり、共感できたりするもの。 そのため読者は エピソードとしてはしっかり記憶にあるのに、伏線であるという疑いは捨てさせられてしまいます。 その後、大いなる謎が判明したときのショックときたら!! 覚えているのに、気づけなかった・・・ッ! ストーリーの構成力の巧妙さに、 ミステリ脳がシビれきっちゃいます!! 3、ミステリ、サバイバルアドベンチャー、SF、ジュブナイル。 『彼方のアストラ』が持つ4ジャンルを徹底紹介! 『彼方のアストラ』は、個々のジャンルも良クオリティです! この項では、以下4つの『彼方のアストラ』各ジャンルを紹介、解説させていただきます!• ミステリ• サバイバルアドベンチャー• ジュブナイル 構成力により複数ジャンルがまとめられて面白くなる・・・と解説させていただきましたが、そもそも まとめなくてもハイクオリティで面白いのが『彼方のアストラ』の各ジャンル。 ではどうぞご覧ください! 【ジャンル1】 ミステリ 『彼方のアストラ』のミステリは、 アストラ号に乗船した9人がなぜ5012光年先に転送されたのか?なぜこの9人だったのか?という ホワイダニット(犯人捜しではなく、なぜ行われたのか?を問うミステリ)ものです。 特徴 伏線は完全回収!そして 「二重回収」がすごい! 二重回収とは? ひとつの伏線を いったんジュブナイルストーリーなどで回収し決着させるが、のちに ミステリストーリーとして再回収する巧妙な誤誘導。 感想は? 謎が解けた瞬間も爽快だが、 再読で二重回収の伏線を見つけるたびに巧さに唸る 母親の冷たい言動に心痛める少女、ユンファ。 深まる仲間との絆により親の呪縛から解き放たれる。 しかし母親の言葉には、実は別な意味が込められていることが明らかに・・・! 彼方のアストラ 2巻より引用 【ジャンル2】 「サバイバルアドベンチャー」 母星と連絡が取れないまま5012光年 (宇宙船で約3ヵ月)の宇宙船航行をし、かつ 未知の生態系の惑星で食料を調達して回る ハードな冒険モノです。 特徴 無人の惑星で襲い来る困難(動物、植物、自然災害)や 宇宙船航行トラブル。 そんな中でも 食料確保をしないと死ぬという緊迫感がある 対抗策は? メンバーは それぞれ突出した特技を持っており、かつこの 冒険で育っていくチームワークで困難を撃破 感想は? 絶望的な状況でも希望のある、 明るいアクションエンターテインメントにワクワクする お互いを信頼し合い、困難な状況で力を合わせる! 彼方のアストラ 2巻より引用 【ジャンル3】SF 食料調達のために降り立った 惑星の謎の生態系、ワームホールで宇宙に放り出された 9人の生い立ち、そして 世界の歴史。 すべてに 丁寧な解説のついた、 安心のSF世界です。 特徴 母星と似た環境限定で選定された 5つの未開の惑星や「宇宙旅行が当たり前になった時代」 2063年の科学技術などの 宇宙SF 解説方法は? 細やかな設定を 丁寧に、かつストーリーの流れにのって解説してくれるため 読者の置いてけぼり感がない 感想は? 次々に現れる不思議に 素直にワクワクドキドキできるし、大いなる謎が明かされた時も ちゃんとついていける 動植物の知識が深いキャラクター、シャルス。 彼からクルーたち(読者)へと丁寧な解説がされる 彼方のアストラ 2巻より引用 【ジャンル4】ジュブナイル 親との軋轢を抱えたり、寂しさを持つ9人が 血よりアツい友情を育みます。 ストーリーを追いながら生まれる絆は読者を引きずり込み、 まるで 10人目のメンバーになったような気持ちにさせます! 特徴 9人は 親に愛されていないと感じたり、 田舎暮らしで友達がいなかったなどの理由で心に寂しさを抱えているが、 極限のサバイバルを通し友情が育まれる アツさとは? お互いを信頼し合い、困難を乗り越えて生まれた絆は メンバーを「家族」と言い切るほどのアツいもの! 感想は? ミステリやアドベンチャーを通して 読者の心にも友情が芽生え、最終話を読むのがさみしくなるレベル 読者はこの強い絆が生まれる経緯をなぞっているので、深く納得できるはず・・・! 彼方のアストラ 4巻より引用 4、「ジャンルてんこ盛り!」「伏線の張り方やばい!」構成力に感動するtweetまとめ! NETでも『彼方のアストラ』構成力に感動するコメントを見ることができます! Twitterは多くの『彼方のアストラ』ファンが集まるSNSです。 連載中、謎が明かされるとファンが驚きをつぶやき、その多さから 最新話がTwitterトレンド入りするなどの現象も! 今回はそんなつぶやきの中から、ジャンルの融合に驚いたり、伏線の張り方にやばみを感じるなど 構成力に感動した声を集めてみました! 『彼方のアストラ』読了。 SKETDANCEの作者の2作目なのだが、伏線の張り方がやばい。 終盤の怒涛の伏線回収は鳥肌モノ。 アニメ化も決定したので完結後もまだまだ勢いが止まらない作品。 ちなみにジャンプラでも大きく取り上げられてた。 — スペース 13579space 『彼方のアストラ』は全5巻完結でスパっと読み切れるだけでなく、良質なミステリであり傑作コメディであり胸がときめくSFで、そのうえ若者の成長を描いたビルドゥングス・ロマンなので、老若男女にお薦めしたい名作です! マンガ大賞2019受賞おめでとうございますーー!! — たられば tarareba722 【 】 マンガ大賞2019大賞漫画! 『SKET DANCE』の篠原先生、最新作。 宇宙に放り出された少年少女が力を合わせて母国に帰るSF漫画。 立ち寄る惑星でのサバイバルや裏切り者、なぜ宇宙に放り出されたのかなどのサスペンス要素もあり二重にも三重にも面白い。 感動を物語っているコメントたちだと思います! 5、まとめ 本記事では、• 『彼方のアストラ』の超絶構成力3つについて• それだけでも面白い、ジャンル単体の質の高さについて• Twitterなどの構成力についての声 をまとめ、紹介させていただきました。 ミステリも超鮮やかですし、アクションやキャラの心理描写なども素晴らしい『彼方のアストラ』。 しかしその 精密な工芸品的「造形」に鳥肌を立てることも、本作の楽しみ方のひとつだと思います! 最後に、 2019年マンガ大賞を受賞された篠原先生のコメントを引用させていただきます。 「憧れていた賞なのですが、 大人っぽい作品がノミネートされるというイメージを勝手に持っていて。 宇宙で冒険するというバリバリの少年マンガが賞を取ったことに驚いています」 から引用 先生に意見するなどおこがましいことですが、それでも大声で言いたいです。 「超テクニカルでシブくて、38歳ハマりまくりです!!!」とッ!!! 全5巻と読みやすい巻数にまとまっている本作。 ぜひ一気に読んで、 構成力の妙に感動してください! 中山 今.

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彼方のアストラ【オススメ度10】

彼方 の アストラ

どうも!です。 正直、2巻くらいまでは 「なんだこの宇宙旅行マンガ…これがマンガ大賞受賞作品かよ」とか思ってたんですけど、3巻辺りからはページを捲る手が止まらなかった。 とくに伏線回収やミステリーの部分が秀悦してました😌 表紙を見てSFマンガだと敬遠している人にも是非読んでほしい。 ちなみに全5巻完結済みなので1日で読めるところもオススメ。 それではそんな『彼方のアストラ』のネタバレ感想と残る疑問点などを考察していきますー! (感想・考察だけ読みたい方は目次から飛んでね!) 登場人物を紹介する 個人的な解説付きで、気になった登場人物を紹介していく。 カナタ・ホシジマ キャプテンに立候補。 その行動力からアストラ号でのキャプテンとして認められるようになる。 将来の夢は宇宙探検家。 過去に山で遭難したことがあり信頼していた教師を亡くす。 この経験もあってサバイバルに対する知識がある。 体も鍛えていて、いい筋肉を持っている。 アリエス・スプリング ど天然なヒロイン。 オッドアイ。 一度見たものを忘れない映像記憶能力を持っている。 キトリー・ラファエリ 褐色の美少女。 ツンデレ。 家が病院で母親が医師であるため、本人も医師を目指し医学を専攻している。 ザックとは幼馴染。 スケットダンスのスイッチに似てると思ったのは私だけではないはず🤔 ルカ・エスポジト 可愛い顔に似合わず一人称はオイラ。 手先が器用。 「子供が嫌い」だとフニの同乗には批判的だったにも関わらず、わりと初期からフニと打ち解けていた。 実は男でも女でもないIS(医学的に男女の区別がつかない状態)である。 シャルス・ラクロワ イケメン。 生物に関する知識が豊富で、食料調達の際には大いに活躍した。 5巻での彼のメイン回は名シーンすぎて永久保存。 ユンファ・ルー 長身の黒髪で眼鏡の女子。 母親はルーシー・ラムという有名な歌手。 引っ込み思案な性格。 アストラ号で自分が役に立てていないという劣等感を抱いていたが、得意の歌で娯楽のない宇宙生活を和ませ、存在意義を見つけた。 以後、メガネを外して(実は伊達眼鏡)髪を切りイメチェンをする。 案の定イメチェン後はめちゃくちゃ可愛い。 ウルガー・ツヴァイク 3巻までは他のメンバーと関わろうとせず非常に尖っていたが、ルカと一悶着あり、カナタに救われすっかり丸くなる。 漫画『彼方のアストラ』感想・考察 いやー。 面白かった。 大大大大満足でした。 完結済みの作品を一気に読んだこともこの満足度に繋がるんでしょうけど、単行本5巻にここまでの壮大なストーリーを詰めこめるのがスゴイ。 これは評価が高いわけだわ……スケットダンスを間違いなく越してる。 未読の方はネタバレご注意ください。 一部核心にも迫ります。 ただのSF漫画ではない。 ミステリ漫画として楽しめる SF漫画が苦手な人にも是非読んで欲しい漫画だった。 表紙だけ見ると【ザ・SF漫画】である本作ですが、ミステリーの部分が秀逸していた🤔 実はわたしもSF漫画は好きな部類ではない。 冒頭でも書きましたが、序盤は「これがマンガ大賞受賞作品か〜」と言った感じの漫画でした。 それが3巻あたりから一気に面白くなった。 伏線回収にあたる4巻と5巻では、 衝撃的な真相に鳥肌が立ちました。 物語を簡単にストーリーを説明すると 高校生のカナタ、アリエス、キトリー、ザック、ルカ、シャルス、ユンファ、ウルガーの8名と、キトリーの義理の妹・フニシア(10歳)の9人は、学校の行事で惑星キャンプに出かける。 しかし、キャンプ先の惑星で、光の球体に襲われ、宇宙空間へと飛ばされてしまうーーー。 飛ばされた宇宙空間で運よく無人船を見つけた9人は、5012光年の距離を、力を合わせて帰ることを決める。 こんな感じで、2巻までは9人が力を合わせてサバイバル生活を繰り広げる様子が描かれているんだけど、3巻以降は 9人が集められた理由や 9人の中に潜む【刺客】の正体などが明らかとなり、 ミステリー好きにはたまらない展開となります。 9人の出世の秘密、刺客の正体、アストラに隠された秘密をネタバレ ここで感想と考察をしていく上で核心となるネタバレを書いておく。 アストラ号に乗るB5班9人が消される理由とは? 旅の途中でカナタたちは、フニが児童養護施設で「B5に入れて一斉処分」という会話を聞いていたことを知る。 このことから B5班には消される必要のあるメンバーが集められたのではないかとカナタたちは推測する。 ここまでが3巻までのカナタの推理だが、4巻でポリ姉が登場したことをキッカケに一気に物語は進む・・・。 わたしは親から愛されていなかったメンバーが多数いたことから【 子どもを愛せない親たちが、子どもを処分するためにB5に入れて一斉処分するのかな?】と、安易に予想していた。 が、 そんなありふれた話ではなかった。 B5班の9人は、 全員クローン ザックの父親は記憶の移植という研究をしていた。 Aの記憶を丸ごとBに移植すると、 肉体はBのまま人格はAになる。 つまり体の乗り換えが可能となる。 しかしこの体の乗り換えは、 同じ遺伝子情報を持つ体同士のみ可能。 双子の片方に記憶移植をする人間なんているはずもなく、ザックの父による大発明は現実的に使い道がないという結論に至った。 だが、移植目的のクローンを作ったらどうだろう? 老いた体を捨てて、若いクローンの身体に乗り換えることが出来る。 持って生まれた才能はそのままに・・・。 親たちの目的は若返りだった。 老いた身体を捨てて若返るためクローンを産み、乗り換えの適正年齢になるまで育てていた。 そのためB 5班のメンバーたちは親から十分な愛情を注がれていなかったのだ。 そんな中、ゲノム管理法というDNAを管理する新たな法律が設立された。 DNAを採取されれば子どもたちがクローンだとバレてしまう! 人間のクローンを作ることは投獄レベルの重罪。 親たちは子どもたちのDNAが採取される前に、事故に見せかけて9人の子ども(クローン)たちを処分しようとした。 これが9人が集められた理由だった。 この事実は衝撃的だった。 親との確執なり家庭環境なりをそれぞれが抱えてるだけなのかと思いきや、まさかの全員クローンですよ。 3巻で登場した親たちを見る限りロクな親たちじゃないな〜と思ってましたが、ここまでとは。 自らの出世の事実を明かされた彼らの気持ちは想像しただけでやるせない。 「家族には無条件の愛情があって わたしは愛してたし 愛されたかった」というキトリーの台詞で一緒に泣いた読者も多いのではないだろうか・・・。 そんな中でのカナタの 「オレ達が家族だ!!!」にはグッときた。 これはルカじゃないけど「やっぱかっこいいや」てなりますわ。 刺客の正体とアリエスの正体。 クローン問題が衝撃的すぎて刺客の問題を忘れていたが、刺客問題も残っている。 ここまで一緒に旅をしてきた仲間の中に裏切り者がいるとは思いたくなかったが、刺客にも刺客なりの事情があった・・。 アストラ号の通信機が壊し謎の球体を出現させていた 【刺客】は シャルスだった。 シャルスはヴィクシア王政地区の 王のクローン。 生まれた時から自分がクローンだと知っていた。 小さい頃から「王の肉体になることが使命」「王の所有物であり人ではない」「健康な身体を保つことだけを考えろ」と言い聞かされて育った。 そしてゲノム管理法の成立で、王からクローンの処分が決まったと告げられ、刺客となる命令を受ける。 途中で球体を引っ込めたのは、アリエスを巻き込まないためだった。 アリエスはヴィクシア王政地区の王の一人娘・ 王女・セイラのクローンだった。 セイラはクローンを作ることには反対だった。 だが、王はセイラに内緒でクローンを作っていた。 それがアリエスだ。 勝手にクローンを作られたセイラは、 クローンを代理出産したエマと幼いアリエスを王政地区から逃した。 その時に逃げたクローンがアリエスだと気づいたシャルスは、彼女を連れ帰って王に会わせようとしたのだ。 ということで刺客はシャルスで、 アリエスは王女・セイラのクローンだった。 わたしは読み進めていくうちで刺客は、シャルス、ウルガー、アリエスの誰かだと思ってたました。 最後までミスリードはありましたが(ウルガーが刺客発言とかな)、やはり1番怪しかったシャルスが刺客・・・。 それでもここまでの展開は予想はしていなくて鳥肌がたった・・・。 ぶっちゃけアリエスが無意識のうちに色々やっちゃってるパターンかと思ってました🤮 シャルスの生い立ちは壮絶すぎた。 【自分が何者なのか考え続け 後悔に苛まれ 自分に価値はないと思い知らされた】 というモロローグは、読んでいるだけで辛かった。 さらに涙腺崩壊シーンは続く。 シャルスの生い立ちを聞いた仲間たちは、 「生まれや育ちは選択したものではない これから変わればいい」 「一緒に帰ろう」と声をかける。 しかし 「もうどうしようもないんだ」と絶望した表情のシャルス。 そしてシャルスは気球で自殺を図ろうとする。 ここですかさず運動神経抜群のカナタさんが気球を反重力シューズで飛び越えシャルスを力づくで取り押さえる! しかし、どんどん迫ってくる気球。 カナタは右腕を宇宙空間へ持っていかれてしまい、シャルスは我に帰り気球をしまうーーーー。 カナタが右腕を失ってまで自分を救おうとしてくれたことでシャルスは 「みんなのおかげで僕は自分になれた ボクはオリジナルとして生きたい みんなと一緒に帰りたい」と、王からの洗脳から抜け出す。 もう本当に泣いた。 最高潮に泣いた。 カナタさん。 やっぱかっこいいや・・・。 腕を失ってでもシャルスを止めたのもカッコよかったけど、 その後の 「お前…アストラに帰ったら責任取れよ ずっとオレのそばで手伝うんだ 前に約束したよな お前はオレの右腕だ」ってカッコよすぎでしょ😭😭😭 責任感じてるシャルスに 「オレはお前を恨んでねえ オレが選択して行動した結果だ あの時お前が球体を解除しなければオレは死んでた礼を言うぜ」という言葉かけるところもカッコよすぎる。 人の気持ちを推し量る力があって行動力もあって運動神経もよくて筋肉もある!これってもう最強じゃん。 カッコよすぎる。 (まあでも推しはウルガー。 そこは譲れん) 「アストラ」と「地球」似て非なる母星。 4巻ラストで明かされた カナタたちが帰ろうとしている星が「地球」でないという事実。 このシーンはゾッとした。 鳥肌が止まらなかった・・・。 4巻から登場したポリ姉。 彼女の母星は 「地球」。 しかし、B5班が帰ろうとしているのは 「アストラ」でした。 確かにカナタ達は、1度も「地球に帰る」とは言っていなかった🤔 カナタ達の母星アストラ カナタ達の知っている 「アストラ」についての歴史は、かなり大雑把だった。 学校では「過去を振り返るより未来に目を向けましょう」と習ったらしい・・。 しかし学校では大雑把に旧時代の国の歴史を習ったようで、アリエスが国の位置を把握していた。 地球と大体の位置関係はあっている・・・・。 「地球」と「アストラ」の歴史は、ある地点で分岐していた。 キューバ危機の時。 惑星アストラでは、第三次世界大戦が起こっていた。 (この時点ではパラレルワールド疑いました) 人類は1962年にアメリカとソビエトが開戦し、世界は焼け野原になる。 人口は半分まで減少し、人類は自らの愚かな行為を悔い、恥じて平和な世界を作り変えることを誓った。 そして国という領域は廃止になり、言語と法律は一つに統一され、悲願である銃の撤去をも果たした。 そして今年、世界統一から100年を迎えるーーーー。 これがB5班のみんなの母星「アストラ」の歴史。 宗教の存在がないらしい。 「地球」に何が起こったのか? そしてポリ姉の母星「地球」の歴史が明らかにされる。 ポリ姉の母星「地球」は、キューバ危機で戦争に突入しない私たち(読者)と同じ世界である。 地球では2049年にある発見があった。 8年後の2057年に巨大隕石が突撃するという計算結果が出たのだ。 そこで地球人達は、地球を丸ごと他の惑星に移住することを考えた。 架空の理論で発見も実証もされていないはずなのだが、地球では人工ワールホームが開発されていたようだ。 ポリ姉達が宇宙を探索していたのは、移住先の惑星を探すためだった。 ポリ姉はスリープに入ったため、移住が完了したのかは知らないが、カナタ達の住む「アストラ」と「地球」の歴史が似て非なることから、移住は完了しているのではないかと考える。 だが、矛盾が残る。 カナタ達の住む世界は2063年だ。 隕石衝突から6年しか経っていない・・・。 真実は、のちに刺客がバレたシャルスの口から明らかにされた。 秘密を知るのは世界政府の要人数名とヴィクシアの王のみ。 シャルスは記憶移植が部分的にうまくいかなった時の保険としてその秘密を教えられていた。 隕石突撃に備えて惑星アストラに移住を決めた地球人たち。 そんな中、地球で移住計画が全世界に発表された。 人々は混乱し、移住先での領地の奪い合いの戦争を全世界が始めた。 2052年からたった2ヶ月で全人類の半数が失われた。 これを公表してしまったのが間違いだった。 一瞬で別の場所でいけるのでテロも暗殺もやり放題である・・・。 各所で小型品が作られた。 そして人類は大規模な引越しで人類をリセットすることにした。 4年間をかけて人類の大移動が実行され、移住が完了したのが2057年。 小惑星は予想通り地球に衝突した。 しかしそうすれば移住の説明がつかなくなる・・。 つまりカナタ達は2163年を生きていることになる。 ちなみにポリ姉は12年ではなく、112年眠っていたw と、地球とアストラに関わる真実はこんな感じだったのだが、私が移住した人類の一員だったら絶対黙ってられそうにいない。 「わしの若い頃わな〜」とか語る自信しかない。 つまり移住した人類の皆さん・・・ すごい口が硬かったんですね。 「平和になるために歴史は捏造」っていう考え方は理解できるんだけど、「平和を目指すために、ありのままの歴史を残したい」っていう考えも絶対あると思う🙄 描かれていないだけで、そういう反対派は抹殺されたんじゃないかなあ😩 真実を知ったウルガーのお兄ちゃんも殺されちゃったもんね。 何が1番思い出に残ってますか? ここで私が1番泣いたシーンを紹介しておく。 遭難から146日。 惑星アストラに着陸する直前、全員で1番思い出に残ったことを言い合うシーン。 ザック 「オレは船が落下した時だな あれはやばかった」 キトリー 「アタシはイクルスで船が動かなくなった時かな さすがにもうダメかと思ったわよ」 ユンファ 「私はシャムーアでみんなが倒れて歌った時ね」 ポリ姉 「私は目的地が地球じゃないと知った時」 ルカ 「オイラは銃突きつけられながら裸見られたことすね」 ウルガー 「オレは 大将の腕に助けられた時だ」 アリエス 「私もカナタさんの腕に助けられた時です」 フニ 「フニもー!カナタの腕に抱えられてピューって!」 シャルス 「ボクも その腕に助けられた時だ」 こんなん絶対泣くでしょ。 特にウルガーからの4連チャンでの 「カナタの腕に助けられた」はやばかった。 思い返せばピンチの時はいつもカナタさんに助けられてたな〜😭😭😭😭 アトラス号の一員じゃないのにわたしも一緒に旅をしてきたような感覚で・・・・ほんと泣いた😌 残る疑問点と違和感 5巻までに簡潔にまとめられている傑作漫画である本作ですが、謎のまま終わった部分もありました。 まず、 ウルガーの兄・フィンが死んだ(おそらく暗殺された)理由。 フィンは生前、ウルガーに 「大人達にだまされるな」と言っていました。 このことから人類が地球から惑星アストラに移住してきた歴史を隠していることを突き止めたのかな…?と推測しているんですが、作品内でフィンが殺された理由は明らかにされませんでした。 ここは読者の読解力に任せるわ〜ってことなんでしょうか? あと、主人公のカナタのバックグラウンドはもう少し広げて欲しいかったな〜と思ってます🤔 カナタの過去は、遭難して死にかけて恩師を亡くしたと約2ページで説明されただけで、あまり掘り下げられていません。 5巻内にまとめるには省かないといけない部分だったのかもしれませんが、せめてウルガーとシャルスくらいのページ数は欲しかったかな🙄 次に、 クローンのオリジナル、つまりB5班の保護者たちが理解できない。 今ある人生は自分が積み重ねた結果であり、クローンに乗り替わったところでまた努力や経験を重ねなければならない・・・。 努力が大っ嫌いな私からしたら、ここまでめんどくさいことはない🤮 てか、さっさと死にたい。 カナタのオリジナルは怪我でアスリート人生を断たれたので、まだ気持ちは理解できるんですけど・・・(最低なことには変わりはないが)ユンファやキトリーのオリジナルはやり直す必要あるの?自分の人生まっとうして死ぬのが1番幸せだと思うんだけどなぁ🙄 ザックの所は研究結果を見たかったり、ルカのところは趣味が入ってたりと、共感はできませんが理解はできます🤔 1番意味わかんないのがシャルスのオリジナルの王様。 こいつ何なん? シャルスを人間として扱わない卑劣なカスでムカつくっていうのもあるけど、やってることが意味不明。 王になれるのは王の一族のみじゃないの? だったらシャルスを息子として育て、その時がきたら乗り移るのが自然かと・・・。 なのにわざわざ側近の息子として育てるってどういうこと? 乗り移ったところで王になれるの? 牢屋にぶち込むのも意味不明。 この時点ではゲノム法はまだないんだし、健康にいてもらわなきゃ乗り移れないだろうに・・・。 あと孤立してる王政地区でもゲノム検査されるの?ってのも疑問でした。

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